イスラーム神秘家・メヴラーナ・ジャラールッディーン・ルーミー

公開日 2021年7月17日 最終更新日 2021年9月23日

知る人ぞ知る詩人でイスラーム神秘家、ルーミー。私が尊敬する人の一人だ。旋回して宇宙を体感する旋舞・セマーを修行とする、イスラーム神秘主義の教団を設立したことでも知られている。彼の残した教えは、本として残されているが、日本ではほとんど発売されておらず、あまり知っている人は少ないようだ。

ルーミーの詩

ルーミー・パピルス

落ち着いて心の内をみつめてごらん
君がしなくてはならないこと それは、愛を探すことではない
愛に対して抱いてしまった抵抗を見つけることだ
君は翼を持って生まれてきたのに
なぜ這いつくばってばかりいるのか
大地は天におとなしく従いなされるがままに苦しんでいる
教えてくれないか
地球はそんなに言いなりになるほどだめな星なのか?
君は翼を持って生まれてきたのに
なぜ這いつくばってばかりいるのか
大地は天におとなしく従いなされるがままに苦しんでいる
教えてくれないか
地球はそんなに言いなりになるほどだめな星なのか?
Vaststillnessさん訳~

ルーミーという人

かわいらしいメヴラーナのおきもの

 

ジャラールッディーン・ルーミーは、13世紀頃、現トルコのコンヤ市で活躍したイスラーム教神秘主義者。彼が残した『メスレヴィー(The Meslevi)』をはじめとした著書は、今もなお読み継がれ、欧米では神秘家・偉大なるマスターとして崇拝されている人物だ。彼が書いた詩は800年たった今でも秀逸なのは、語られていることが真実だからに他ならない。

ヘラートにある金曜モスク/アフガニスタン

彼は、現在のアフガニスタン北部で、由緒正しい家柄の子として生まれた。父は、イスラム教の神秘家であった。”学者の王””霊知の王”として、イスラム各国で敬愛される人物だ。 子どもの頃から、宗教学のみならず、諸学を修める才覚を発揮していた。若くして”賢者””マスター”をさす「メヴラーナ」と呼ばれて崇敬されていた。

教団の設立と神秘家の日常

セマー(旋舞)

メヴラーナは、現在のトルコ・コンヤに移住したのち、メヴレヴィー教団を設立する。マスターという立場になってからも、日常生活において、数日から一週間ほどの断食を日常とし、体の浄化を心がけ、一定期間引きこもって瞑想をしては外に出て真実を確認するという行動を習慣化していた。イスラム教の神秘家とよばれる由縁である。悟りを何よりも大切にしていた彼は、私たちになじみ深いブッダとも重なってみえる。

メヴラーナと息子の棺/メヴラーナ博物館

彼の詩は、イスラーム色が濃いからなのか、なかなか日本で紹介されていかない。 欧米ではルーミーの詩はよく知られていて、ルーミーに関する著作物は多い。たとえば、ルーミーは、肉体のことを「土」といい、「土になんの執着があるのか」とも言った。物質的なこと、この肉体をもって経験をしている物理的なことに、執着がないのだ。マスターであるからこその発言は、どれも興味深く至高の祈りでもある。

トルコ・コンヤへ

コンヤを走るトラムヴァイ

海なし県であるコンヤは、アナトリア大陸のど真ん中にある。乾いた風が吹く大地に、メヴラーナは眠る。メヴラーナの残した言葉どおり、「土」には何の意味もない。墓を見たところで、何の意味もなさないのである。それでも、死からの解脱を意味するセマーを見ることと、彼の想いを感じ取ることができる旅はできる。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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