秘密の町・トルコにあるプチ・ヨーロッパな町アマスラ

公開日 2021年10月15日 最終更新日 2021年10月16日

黒海地方には、日本ではまだまだ知られていない町が山ほどあるのだけれど、ここアマスラもその一つだ。近年、イスタンブールやアンカラなどの都心部に住む人々の夏の旅先として、人気急上昇中のアマスラ(Amasra)。日帰りで新鮮な魚や野菜などが購入でき、海で遊べる最高の場所なのだろう。夏は週末ごとに賑わう穏やかな田舎町・アマスラを旅してみよう。

アマスラはこんな町

アマスラ/バルトゥン・トルコ

東ローマ帝国時代のアマスラは、アマストリスとよばれていて、ロシアの対岸にあることから戦略的に重要な都市だったようだ。征服王と名高いオスマン帝国の第七代皇帝メフメット二世がこの地を支配する前、ここはイタリアのジェノヴァ王国が支配していた。そのためアマスラには、多くの古き良きヨーロッパの町並みが残っていて、イギリスのノリッジにある「ヨーロッパの歴史的な町と地域の協会」のメンバーになっている。

アマスラ/バルトゥン・トルコ

偶然とは思えないが、アマスラの町はイタリア半島によく似た形をしている。この町には、大きな島と小さな島があり、大きな島はグレイト島、小さな島はラビット島と名付けられている。

アマスラ/バルトゥン・トルコ

昔は栄えていた港町だったアマスラも、現代は小さな漁港の町になった。平日は穏やかで人もまばら、とっても静かだ。人口6500人ほどのアマスラが賑わうのはヴァカンス時期。特に夏の土日やバイラムの時期は、イスタンブールやアンカラから、2万人以上の観光客が一挙に訪れて町は大賑わいになるらしい。

アマスラ/バルトゥン・トルコ

アマスラという町が一気に有名になったのは、この景色にある。ちょうど船が真ん中にいるので、まるで瞳のようにも見える。Instagramで一気に人気になったアマスラは、「黒海の真珠」と称されることとなった。

旅するスポット

リゾートホテルやプチホテルでゆったりとした時間を過ごすのがアマスラの定番だが、お散歩がてら観光したいスポットをまとめてみた。

アマスラ城

アマスラ城/バルトゥン・トルコ

アマスラ城/バルトゥン・トルコ

アマスラ城(Amasra Kalesi)はローマ時代に建てられ、城壁は後世ビザンチン帝国によって建てられたものらしい。正面の壁と門は14世紀と15世紀にジェノバ人によって建設されている。とはいえ、今残っているのは石造りの城壁と塔のみで、外から見ると家々に囲まれていてイタリアの小さな町のような雰囲気にも見える。

アマスラ城/バルトゥン・トルコ

こんな町がイタリアにあったけど、なんていう町だったかな。

チェキジレル・バザール

チェキジレル・バザール/トルコ文化観光省公式サイト

お土産を買うなら、チェキジレル・バザール(Çekiciler Çarşısı)へ。アマスラ名物の木工品をメインに、手芸品や定番お土産物が並んでいる。黒海地方の町ではハンドメイドの手芸品や木工品の購入ができるのがいい。とても丁寧に作られているのに、お値段は格安。バザールには屋台やケバブ屋さんもある。

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クシュ・カヤス・アヌトゥ

クシュ・カヤス・アヌトゥ/バルトゥン・トルコ

アマスラへ向かう道の途中にある、ローマ時代からの遺跡クシュ・カヤス・アヌトゥ(Kuş Kayası Anıtı)。遺跡と言うより、岩に掘られたレリーフだ。ここは昔ローマへと続く道で、道脇に造られた皇帝の像とローマ帝国の象徴である鷲が彫られていた。今はだいぶ崩れかけているけれど、長いドライブの途中の休憩場所として最適。休憩スポットとしては他に、ギョルデレの滝(Göldere Şelalesi)なんかもある。

クシュ・カヤス・アヌトゥ

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ギョルデレの滝

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アマスラで食べたいグルメ

イスタンブールから数時間で来ることができるアマスラは、新鮮な野菜や果物やシーフードも人気。鮮魚をお土産として持って帰る人も多いようだ。日本まで持って帰ることはもちろんできないので、新鮮なグルメをその場で食べておきたい。野菜は味が濃くておいしい。

アマスラサラダ

アマスラサラダ/バルトゥン・トルコ

アマスラサラダ(Amasra Salatası)は季節ごとに、レタス、玉ねぎ、ピクルス、パセリ、ルッコラ、ニンジンなど、豊富で彩り豊かな野菜が使われるらしい。オリーブオイル、酢、ザクロス酢、レモンで作るさっぱりしたシンプルなドレッシングは、味の濃い新鮮野菜の引き立て役。アマスラサラダは、他地域の一般的な家庭でもつくられている。

チュトゥル・バルックラル

チュトゥルは、「サクッとした」という意味で、簡単に言うと白身魚のフライçıtır balıkları)になる。日本の漁港の食堂にも白身魚のフライや、北海道の食堂のほっけのフライのような新鮮な魚をフライにしたおいしい方の城見魚のフライだ。日本でも一般的な白身魚のフライはスケソウダラを使っているけれど、トルコでもスケソウダラ(Mezgit)を使っている。冷凍食品としてスーパーでも販売されている。

ハムシとよばれるイワシ料理

アマスラのレストランでは、他にも黒海地方でとれた魚料理が食べることができる。おおむね、揚げ焼きのようにしたものにレモンをしぼっていただくスタイルだが、日本人にはもちろん美味だ。

バッル・ヨーウルト

蜂蜜ヨーグルト/アマスラ・バルトゥン・トルコ

アマスラのレストランでデザートをオーダーするなら、間違いなく蜂蜜ヨーグルト(Ballı Yoğurt)がいいらしい。ギリシャヨーグルト(と言ったらトルコ人に怒られるかな)のように、みっちり濃厚でチーズケーキのような食感のもの。水牛のミルクを使っているそう。このヨーグルトの上にたっぷりの蜂蜜と砕いたヘーゼルナッツをかけていただく。アマスラサラダ→お魚料理→蜂蜜ヨーグルトが王道のディナーコースだ。

旅のプラン

アマスラ/バルトゥン・トルコ

アマスラがあるのは、イスタンブールとサフランボルの間。黒海には、アマスとアマスがあるので間違えないようにしよう。イスタンブール→アマスラ→サフランボル→アンカラ(またはその逆)の行程がおすすめだ。

ややこしいアマスラの記事はこちら↓

アクセス

バルトゥン市

最寄りの町は、バルトゥン市だ。バルトゥンは、アマスラのあるバルトゥン県の県都でもある。
各都市からバルトゥン行きのバスに乗車し、バルトゥン・バスターミナルで下車する。
バルトゥン市の旧バスターミナル(Eski Terminal)からアマスラまでドルムシュ乗車。30分~1時間間隔で出発し、料金は5TLほど。運行バス会社は、アマスラ・セヤハット(Amasra Seyahat)。
※サフランボル⇔アマスラ間の長距離バスは、夏のハイシーズンのみ運行されていて、一日数本程度、所要時間は2時間、運賃は30~40TLほど。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2019/9/3)をリライトしたものです。

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