カッパドキア観光のハイライト・世界遺産ギョレメ野外博物館

公開日 2021年8月27日 最終更新日 2021年9月21日

カッパドキア観光のハイライトで、絶対に外せない観光スポットが、世界遺産・ギョレメ野外博物館(Göreme Açık Hava Müzesi)である※。日本でも何度も旅番組などで取り上げられているので、知名度はとても高い。13~19世紀頃、修道士たちはギョレメの岩窟に修道院を造り、共同生活または一人で修業をしていた。あえてこのような厳しい環境に身を置くことを修練の一つとしたのである。博物館の敷地には、7つの教会があり、それぞれに描かれた壁画が見所であり、保存状態が良く見応えがある。人生で一度は訪れたい、ギョレメ野外博物館へ行ってみよう。
※「屋外」とも書く。

 

ギョレメ野外博物館とは

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ギョレメ野外博物館

13世紀~19世紀にかけて、ここは修道院として使われていた。岩窟内には、教会、礼拝堂、食堂、集会所などがあり、それぞれは岩で仕切られた立派な建物になっている。カッパドキア界隈には、いたるところに岩窟教会が残されている。修道士たちがここに集まって、それぞれに岩の中で修業をしていたのだ。ギョレメ野外博物館は、多数ある岩窟教会の中で最も最初に造られたとされるため、世界遺産の中心を担っている。

暗闇の教会

修道士たちはただ単に共同生活を送っていたわけではなく、修道士を養成するための教育制度も設けられ、少年・少女の修道院があったとされる。

7つの教会

暗闇の教会

ギョレメ野外博物館には、7つの教会がある。聖バジル教会(大バシレイオス教会)、聖バーバラ教会、りんごの教会、サンダルの教会、暗闇の教会、トカル・キリセ、ヘビの教会の7つである。

サンダルの教会

ヘビの教会

聖バーバラ教会

暗闇の教会

教会内部の美しい絵画は、2種類の技法で描かれているらしい。まず、岩の表面に直接絵を描くテンペラと、フレスコ画の手法である。岩に描かれている絵画であるということを、思わず忘れそうになるほど芸術的で、保存状態が良い。聖バシレイオス教会、りんごの教会、聖バルバラ教会、ヘビの教会、暗闇教会、サンダルの教会、トカル・キリセの7つの教会を順番に見て回る。暗闇の教会だけは別途入場料が必要だ。暗闇の教会には、素晴らしい壁画が多数残されているので、見逃さず見学しておきたい。

聖バシレイオスと聖人2名

カッパドキアにこれだけの修道士が集まってきたのは、単にこの地が修練を積むのに魅力的であったから、だけではない。カッパドキア地方の大聖人である聖バシレイオス/聖バジル(大ワシリイと日本では呼ばれる)だ。

聖バシレイオス/Wikipedia

キリスト教徒ではない日本人にとって、聖バシレイオスとはどういう人物なのか知らない人は多いはずだ。「父と子と聖霊の御名において」という言葉であれば、誰もが耳にしたことがあるだろう。この三位一体論を初めて唱えたのが、聖バシレイオスである。

公会議が行われたアヤソフィア教会/イズニック

カイセリの裕福な家で生まれ育ち、ギリシャの学校に通い、秀でた人物像であったことからカイセリの大司教までになった。カッパドキア地方で人々に崇敬されただけでなく、ビザンチン帝国時代に開かれた大切な宗教会議(公会議)にも召集されるほど、キリスト教において影響力のあった人物である。

現在のカイセリ中心部

聖バシレイオスの他には、2人の聖人がいて、3人の偉大なる聖人がここカッパドキアに居たからこそ、修道士たちが集まってきたようだ。カッパドキア観光で、ツアーガイドの説明に何度も出てくる聖バシレイオス。雰囲気だけでも、ぜひ覚えておいていただきたい。

ギョレメ地区にあるビザンチン絵画と教会

鏡の教会

修道士たちは、カッパドキア各地に岩窟修道院を残した。ギョレメ地区には野外博物館の他にも、El Nazar Kilise(邪悪な目の教会)、Saklı Kilise(隠れた教会)、Aynalı Kilise(鏡の教会)など多数残されている。時間と体力の余裕があれば、まわってみるのもいい。

サンダルの教会

はるばるこのような辺境の地へ、神を求めてやってきた修道士たちの心持ちと意志力、そして求めた希望はいかばかりだったのか。当時を思うと、これらの残された壁画がいかに貴重な遺産であるかがよくわかる。

夏も冬も服装に気を付けて!

冬はマイナス30度くらいまでになることも

カッパドキアは典型的な大陸性気候で、夏は猛暑、冬は極寒の気温。夏でも朝晩は肌寒く、日中はさすような暑さである。特に夏訪れる際には暑さ対策・日焼け対策をばっちりしていこう。SPF50の日焼け止めなのに、やけてしまうほどだ。さらに、ギョレメの町は、上り坂が多く、夏はとくに体力がいる。「ちょっとだけ雰囲気味わってふらっとしたい」人でも、帽子と水分はマストアイテムだ。野外博物館やその他観光地を巡りたいのなら、移動手段は徒歩観光以外の選択肢を選ぼう。

ギョレメ中心部

熱中症対策で、水・日焼け止め・帽子・アイスクリームは必須である。ギョレメ中心部には、日本語が話せる店員さんがいる旅行会社やカフェ、レストランがたくさんあるので、こまめに休憩をしながら無理せず観光をしよう。

アクセス

猫とギョレメ

カッパドキアは、トルコでも一大観光地であるが、広範囲にわたって見所が点在しているため、便があまり良くない。各旅行会社かホテルのフロントにて、ツアーに申込して参加するのが通常だ。ツアー参加をしないなら、レンタル・ロードバイクや、レンタカーの手段となる。慣れない道を運転するのがトルコの場合は難しいと思うので、ぶっちゃけツアー以外に選択肢はない。日本から、Veltraのツアーへ申込をしてから現地へ行くと、便利でいい。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2019/7/15)をリライトしたものです。

 

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