
観光で訪れるカッパドキア5つの町まとめ!
公開日 2021年9月18日 最終更新日 2021年10月4日
カッパドキアとは、いくつかの自治体(Belediye:ベレディエとよばれる)をまとめた通称であり、実際には存在しない自治体だ。古代、ヒッタイト帝国があった頃、中央アナトリアのもっと広い地域を「美しい馬」を意味する「カパドクヤ」と呼ばれていて、上質な馬の名産地であったことに由来している。カッパドキアはあまりに広く、そして移動が不便だ地域であもる。事前に効率よくまわる方法を計画する必要がある知っておいて損はない、メインとなる5つの自治体をまとめてみた。
カッパドキアの歴史

カイセリ市とエルジエス山
カッパドキア地方でひときわ目を引く高い山がエルジエス山だ。このエルジエス山をはじめとした複数の火山がなければ、カッパドキアの奇岩は生まれていなかった。噴火による溶岩と火山灰が降り積もり、長年の雨風の浸食によって造られた自然の傑作が、カッパドキアの奇岩群だ。

夕日にそまるカッパドキア/トルコ
旧石器時代に人が住み始めたとされ、古代ヒッタイト帝国時代には、ここは「カパドクヤ(美しい馬)」と名付けられ、今よりも広大な中央アナトリアのエリアを示したらしい。

サンダルの教会/ギョレメ野外博物館・カッパドキア・トルコ
ヒッタイト帝国が滅んだ紀元前12世紀以降、ローマ帝国のキリスト教迫害を受けて、修道士たちがここに隠れ住み、洞窟の中に修道院を造った。今はイスラム教の国だが、ムスリムのテュルク民族が支配する前は、キリスト教徒にとって大切な住処であった。「父と子と聖霊の御名において」という言葉を生んだ聖バジルは、ここカッパドキアと深い縁のある人であった。時代を経てそれらは今、トルコ観光の目玉となったというわけだ。

デリンクユ地下都市/カッパドキア・トルコ
また、この大地の下には広大な地下都市が存在していて、日本でも都市伝説として有名になったおかげで知らない人はいなくなった。地下都市はカッパドキアの複数の場所から見つかっていて、それらは互いに繋がっていたため広大な面積を誇る。地下8階まである深い地下都市には人々が生活に必要なものすべてが揃っていた。敵から身を隠す為の一時的な場所とも、定住する為とも言われていて、未だに全容が解明できていない。
カッパドキア5つの町
1. Göreme(ギョレメ)

ギョレメ野外博物館/カッパドキア・トルコ
カッパドキア観光の中心地ギョレメには、観光のハイライトとなるギョレメ野外博物館と、バルーンツアーがある。小さな町だが、洞窟ホテル、カフェ・レストラン、ハマム、土産物屋、一通りそろっている。

洞窟ホテルの一例
ギョレメには多数の洞窟ホテルがある。洞窟ホテルで過ごす経験なんてなかなかできないだろう。カッパドキアは夜遊びも楽しい町だとされるが、せっかくなのでギョレメの夜はホテルでゆっくり過ごすというプランもいい。洞窟ホテルや奇岩をライトが照らしだし、夜は異世界的な美しさになる。

2.Ürgüp(ユルギュップ)

三姉妹の岩
ユルギュップは、カッパドキア各地区を結ぶドルムシュの起点となる町だ。ギョレメよりも大きな町で、利便性が良く、おしゃれなプチホテルや高級ホテルが多くあり、ナイトライフも充実している印象だ。特に若い人には、拠点としておすすめだ。

ユルギュップ中心部/カッパドキア・トルコ
町の中心にオトガルがあり、ユルギュップのシンボル、Temenni Tepesi(テメンニの丘)からは、ユルギュップの街並みを一望できる。
/ユルギュップ・カッパドキア・トルコ-120x120.jpg)
3.Uçhisar(ウチヒサル)

ウチヒサル城/カッパドキア・トルコ
カッパドキア一高い「建物」は、このウチヒサル城だ。ウチヒサル地区は、ギョレメやユルギュップよりも落ち着いた大人の町。クラブメッドがこの町にスパ付き滞在型ホテルをオープンさせて以降、続々と洞窟リゾートホテルが建設された。観光だけでなく、ホテルライフも充実させたいハネムーナーやご夫婦旅、オトナ女子旅にはウチヒサルがおすすめである。日本からのツアーでよく利用するカヤホテルも、ここウチヒサルにある。

4.Avanos(アヴァノス)

クズルウルマックとアヴァノス/カッパドキア・トルコ
アヴァノスは陶器の町として有名だ。kızılırmak(クズルルマック:赤い河)の川底からとれる鉄分を含んだ赤い土と、山土をまぜてつくったアヴァノス陶器は、古くからこの地方の名産品で、カッパドキアのツアーでは工房に立ち寄ることも多い。

アヴァノスの川下り/カッパドキア・トルコ
陶芸体験のほか、ゴンドラでの川下りもできるアヴァノス。各旅行会社が現地で提供しているレッドツアー・グリーンツアーも、ここアヴァノスは必ずプランに組み込まれているようだ。アヴァノスはドルムシュの起点になる町なので、宿泊するなら良い拠点になる。アヴァノスに宿泊するなら、市内に多数あるブティックホテルがいい。質の良い奇岩が見られることで知られる、チャウシン地区はアヴァノスにある。

5.Nevşehir(ネヴシェヒル)

ネヴシェヒル/カッパドキア・トルコ
ネヴシェヒルは、カッパドキア地方の中心となるネヴシェヒル県の県都だ。歴史的な観光名所は、ネヴシェヒル城一択。最近このネヴシェヒル城の地下にも地下都市が見つかったことでも、話題になった。主要な施設や大型シティホテルなどはここネヴシェヒルにある。イスタンブール・アンカラ等の他都市からの玄関口となる、ネヴシェヒル空港やネヴシェヒルオトガルもあるが、街中からは離れている。奇岩地域へのアクセスも便利で、大型ショッピングモールもあるので、都会に拠点をおきたい方におすすめだ。
カッパドキアのグルメ

クル・ファスリィエ/トルコ
カッパドキアに来たら食べることが多いのは、アヴァノス産の壺でお肉と野菜をじっくり煮込んだ壺ケバブ。カッパドキアにある各レストランでは観光客向けに提供されている。また、ひよこ豆や白いんげん豆を使った煮込み料理クル・ファスリィエ、トルコのクレープ・ギョズレメは、カッパドキアの各カフェやレストランで食べることができる。カッパドキア・ワインとともに、どうぞ。

旅のプランにあった地域へ宿泊しよう

洞窟ホテルの一例
カッパドキアを旅するなら、まずは「どこを拠点にしようか」を決める必要がある。洞窟ホテルならギョレメが、おしゃれなブティックホテルならユルギュップが、高級スパホテルで大人な旅ならウチヒサルが、かわいいプチプラブティックホテルならアヴァノスが、都心に宿をとりたいならネヴシェヒルが、おすすめだ。洞窟ホテルで過ごす夜はとても雰囲気があって一度は絶対に泊まるべきだ。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
※この記事は、トルコのとりこ(2019/7/7)をリライトしたものです。