
「クリスチャン」という言葉が生まれた町・トルコ・アンタキヤ
公開日 2021年7月11日 最終更新日 2021年9月24日
トルコのアナトリアの大地は、キリスト教にとって重要な巡礼地がたくさんある。中でもここアンタキヤは特に重要だ。キリスト教という言葉は、聖パウロと聖ペテロによってアンタキヤで初めて使われたのだ。福音書を書いたルカはアンタキヤ生まれでもある。残念ながら、世界で二番目に造られたアンティオキア教会は残存していないが、今もキリスト教の巡礼者が多く訪れる町、アンタキヤへ旅してみよう。
古代都市アンティオキアとは

郊外にあるティトゥス・トンネル/アンタキヤ
古代シリアの地中海岸に建設され、大総主教座が置かれていた。 シルクロードの出発点であり、地中海交易と陸上交易の交わる重要な町で、繁栄を極めていた。教団としてのキリスト教発生地とされ、聖ペトロが初代総主教だといわれている。キリスト教5大総主教座のうち、ローマ時代に世界で一番権威があったのはアンティオキアであった。
現在はアンタキヤに

アンタキヤの町並み
アンティオキアは現在、アンタキヤとよばれ、トルコ・ハタイ県にある。最も繁栄していたのはローマ時代頃のようだが、その頃を記憶する建物はほとんど残されていない。「ハタイに行く」となれば、アンタキヤを指すことが多いらしい。ハタイは旅するには危険な地域にあたるため、当面旅行することはできなさそう。トルコのニュース番組では、トルコ軍がテロリストを何人無力化しただとか、地元の子どもが犠牲になったとか、そんなニュースが流れているくらいだ。

サマンダーのビーチ/アンタキヤ
アンタキヤ郊外には、美しい自然がある。シリア系の人々が多く、今もこのあたりにはキリスト教徒が多く住む。一部には、アルメニア正教会をはじめ、花が彩るかわいらしい町ワクフルもハタイ県にある。
アンタキヤでマストな3つのスポット
1.アンタキヤ正教会

アンタキヤ正教会
アンタキヤには、毎年何千人ものキリスト教徒が巡礼にやって来る、非常に重要な中心地。 イエスの使徒の一人である聖パウロと聖ペテロは、ここで新しい宗教を広めたのだ。

アンティオキア教会内観/アンタキヤ
1872年の地震で崩壊し、今見ることができる教会は、2000年に復元されたものできれいな教会である。敷地内には、アンティークの石で作られた洗礼のための井戸がある。1911年、総主教グレゴリオス4世の時代に建てられた神学校が残っていて、レセプションホールとなっているそうだ。
2.聖ペテロの洞窟教会

聖ピエール教会(聖ペテロの洞窟教会)/アンタキヤ

聖ピエール教会(聖ペテロの洞窟教会)/アンタキヤ
最古の教会として知られる聖ピエール教会。教会というか洞窟である。迫害を受けたキリスト教徒が使徒を頼って逃げ込んできたこともあったらしい。
3.ハタイ考古学博物館

ハタイ考古学博物館/アンタキヤ
その土地にある博物館は、旅するにあたって欠かせない場所だ。ハタイ博物館には、ハタイ県ダフネの遺跡で見つかったモザイク画を見ることができる。『天は赤い河のほとり』でお馴染み、カイル王子の父・シュッピルリウマ1世の像も必見だ。
アンタキヤ名物をぜひ

キュネフェ

ハイタル
キュネフェというスイーツがある。バター、小麦粉、チーズをパリッと焼きシロップに浸したもので、伸びるチーズがインスタ映えすると、旅行者にも人気だ。トルコ全土で食べられているが、ここアンタキヤが発祥の地とされている。夏のアンタキヤでは、鮮やかなピンクのローズウォーターを使ったアイス、ハイタルもある。

オルク
甘い物が苦手なら、ちょっと変わった形のイチリ・キョフテ(トルコ風コロッケ)、オルクをおやつにするのもいい。
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アクセス

ハタイ空港
アンタキヤへは、フライトまたはバスで入る。各都市からアンタキヤは少し遠いので、フライトがおすすめだ。国内線はシーズンにもよるが、5,000円ほどで搭乗できる。オトガルは町の中心部にあるので、出発地点によってはバスも便利だ。アンタキヤから、北キプロスまでの船もあるので、プランニングの際には活用していきたい。
郊外にあるスポット
写真で紹介した、サマンダーのビーチと、ティトゥス・トンネル、アルメニア人地区はこちらです。