
ナッツとパイ生地の甘い誘惑・トルコスイーツ・バクラヴァ
公開日 2021年8月7日 最終更新日 2021年9月18日
アラブ諸国を旅するのが好きな人なら、中東諸国がいかに甘い物を愛しているかをよく知っているだろう。スパイシーでエキゾチックな肉料理や野菜料理も大変美味だが、スイーツはもっと美味。シロップに浸されたカリッとしたパイ生地のような食感、バターとナッツの香しさ、口に含んだときのじゅわっと広がるあの甘さ。とてつもなく甘いのに、また食べたくなる魔性のお菓子。スイーツ好きなら絶対に食べてほしい、バクラヴァ(Baklava)をどうぞ。
バクラヴァとは?

王道ピスタチオのバクラヴァ
バクラヴァとは、ユフカ(Yufka)とよばれる薄い生地を何層にも重ねて、ピスタチオやチョコ等をはさみ入れ、たっぷりのシロップに浸したもの。特に、トルコ名産のピスタチオやナッツ類のバクラヴァが大定番だ。

ガズィアンテップのピスタチオ
ピスタチオの名産地であるガズィアンテップ(Gaziantep)のバクラヴァが一番おいしいとされている。口に入れたときのなんともいえない食感、バターとシロップとが溶けあっていく感じも、ナッツの香りと歯ごたえもとても美味。

ラマザン(ラマダーン)の食卓例
年に一度必ずある断食月(トルコ語でラマザン/Ramazan:ラマダンの意)には欠かせないお菓子の一つになっている。朝から奥さまたちは、豪華な夕食とともにこのバクラヴァを作るのだ。
バクラヴァの起源

バクラヴァ
バクラヴァの起源については論争の的である。ギリシャ人は、古代ギリシャで生まれたペストリー・コープトピラーコス(Koptoplakous)だとしていて、オスマン帝国でそれがアレンジされたと主張。トルコ及び中東では、遊牧民が薄いパンを食べていたことに起源があるとして、中央アジアを起源と主張している。相変わらずギリシャとトルコは仲良しだ。きちんとしたルーツを確定させるには、黄泉の国から関係者をすべて呼び戻すしか方法が無いじゃないか。と、日本人である私は思う。

ギリシャのバクラヴァ・Koptoplakous
とにもかくにも、今、中東アフリカ一帯で食べられているバクラヴァとよばれるスイーツが生まれたのは、オスマン帝国であることは間違いない。オスマン帝国時代、イェニチェリ(軍隊)や貴人たちが喜び食べたとされ、当時の祝賀祭典には欠かせないものであったのだ。
バクラヴァの多彩なバリエーション

ときめくバクラヴァ専門店
トルコにはいったい何種類のバクラヴァがあるのか、いまだに定かではない。何層にも重ねた生地+シロップに浸したものはバクラヴァであり、形や材料をかえれば、かなりのバリエーションになるのだ。

バリエーション豊か
最近では、冷たいバクラヴァ、アントシアニン入りの紫のバクラヴァ、白チーズのバクラヴァや、クリーミィなバクラヴァ、チョコバージョンなど、種類は増える一方である。トルコでは、バクラヴァ以外にも、パンやパスタ状のもの等をシロップに浸す、カダユフというスイーツもある。トルコ料理のあとに、バクラヴァやカダユフをいただくと、不思議とさっぱりするものだ。
バクラヴァ専門店・バクラヴァジュへ行こう

あれもこれも全部バクラヴァ
空港などの土産物店でも購入できるが、せっかくトルコを旅したなら、バクラヴァ専門店を訪れて「本物」を食べてみることを推奨したい。ほとんどの町には、バクラヴァ専門店・Baklavacı(バクラヴァジュ)がある。イスタンブールなら、カラキョイ地区にある、karaköy güllüoğlu(カラキョイギュルリュオゥル)や、Köşkeroğlu(キョシケロゥル)が有名店だ。わざわざでも行って、食べるべき一品である。
カラキョイ・ギュルリュオゥル(karaköy güllüoğlu)
ギョシケロゥル(Köşkeroğlu)
トルコで問題に?低品質のバクラヴァ

シロップをかけるとじゅわっと音がする
バクラヴァの値段はそれなりにする。8層以上のユフカ(薄い生地)を重ねて、シロップをぬってピスタチオやウォールナッツなどをはさみ入れ、また重ねて、焼いて、シロップに浸す。手間暇かかる極上のバクラヴァには、対価が必要である。ところが近年、格安のバクラヴァが巷に出回っていて問題になっている。使っている油や砂糖が低品質でケミカルであるとのことだ。専門店なら間違いないので、入る店には気を付けたい。
BAKTAD加盟店なら安心
イスタンブールには、バクラヴァとデザート店協会(BAKTAD)がある。イスタンブールの有名店がズラリと名を連ねている。ここのメンバーなら間違いないだろう。
あの味を日本でも

ナッツたっぷりのバクラヴァ
日本でもバクラヴァは購入できる。お土産用のバクラヴァは、生のバクラヴァよりも少しドライだが、これはこれで美味なもの。一口頬張れば、トルコ旅の思い出が蘇ってくること間違いない。トルコ人が毎日手作り、ハセルフーズのバクラヴァはおいしかった。トルコの空港で売っているお土産用のバクラヴァよりも美味だと思う。
ハセルフーズ公式サイト
トルコ大使館PR動画
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
※この記事は、トルコのとりこ(2018/7/12)をリライトしたものです。