アロマな女子旅を。ダマスク・ローズの原産地ウスパルタと湖水地方

公開日 2020年6月15日 最終更新日 2021年9月30日

トルコの南西エリアに、地中海・エーゲ海と接するトロス山脈がある。多くの湖をいだくこの地方は、ダマスク・ローズの原産地である。ローズだけではない。近年はトルコで一番のラベンダー畑、ユリ畑が見られるのだ。その湖水地方(Göller Yörler)にあるウスパルタ(Isparta)県では、そこかしこに、ローズオイルやローズウォーターの抽出工場がある。ウスパルタの中心部にいけば、町はピンク一色。たくさんのバラ製品とラベンダー製品が待っているのだ。アロマテラピーを学んだ人にはなじみ深い、ダマスク・ローズの原産地ウスパルタへと、旅してみよう。

湖水地方とは?

湖水地方/トルコ

アナトリア半島の南、エーゲ海・地中海と内陸部の中間に位置している。地殻変動や火山活動によってできた湖が30ほど点在しているエリアだ。残念ながら湖は、環境変化などの理由により年々干上がり、湖の面積は減少傾向にある。乾いた大地だからこそ美しく咲く、ローズやラベンダー栽培が盛んで、春から初夏にかけて観光客で賑わう地域だ。

 

ウスパルタのお花畑

クユジャック地区のユリ畑/ウスパルタ・トルコ

ウスパルタがあるウスパルタ県での薔薇の生産量は、実は世界一。ダマスク・ローズの原産地なのだから、当然だろう。日本ではブルガリアのダマスク・ローズは有名でも、トルコについては、ほぼ知られていない。ウスパルタは、ラベンダー畑にも力を入れていて、トルコ国内でNo.1の作付面積を誇る。このウスパルタを訪れるべき季節は、6月~7月にかけてがベスト。ローズなら6月に、ラベンダーなら7月に旅するのがおすすめだ。最近、ラベンダーに続いてユリ畑も登場。世界中のネイチャー・ツアー愛好家の注目を集めている。

バラ

ウスパルタのダマスクローズ

ウスパルタの町は一年中バラ色に彩られている。ウスパルタ県のいたるところでGül bahçeleri(ギュル・バフチェリ/バラ園)があり、精油工場もあちらこちらに点在。

ダマスクローズ

24種類あるローズ(Gül)は、5月~6月にかけて開花し、最盛期は6月。南から北へ咲いていく“ローズ前線”にのってやってくる。特に、ギュネイケント町は、ウスパルタの北にある、ローズ一色の町。毎年6月には、ローズ・フェスティバルが開催されている。家族総出でローズを摘む様子を見学したり、実際に花摘みを体験できるツアーが催行される。ローズ・ティーを飲んだり、バラジャムを試食したり、盛りだくさんの内容だ。レンタカーでまわるのもいいけれど、交通の便がイマイチなので、ツアー参加が便利だ。

ウスパルタ市内のお店/Photo by Unsplash

ウスパルタのローズの生産・販売はそのほとんどを、Gülbirlik(ギュルブリリッキ)社が担っている。最近になって日本にも上陸したローゼンスもこの会社の製品で、トルコを代表するナチュラル・コスメの代表的存在だ。品質を求めるなら、この会社が製造している製品なら間違いない。ウスパルタのバラ製品とはいえども、ケミカルなものがけっこうあるので、注意して購入したい。

見られる場所 Güneykent Beldesi(ギュネイケント町)
Yakaören köy(ヤカオレン村)
Gönen İlçesi(ギョネン地区)
İleydağı köy(イレイダーウ村)
Senir/Kılıç köy(セニル/クルチ村)
Sorkunçak köy(ソルクンチャック村)
見頃 最盛期は6月ごろ。

 

ラベンダー

クユジャック地区のラベンダー畑(Lavanta bahçeri)/ウスパルタ・トルコ

トルコ版富良野でもあるウスパルタはラベンダー(Lavanta)も有名だ。毎年初夏になると、紫色に染まる大地が、あちらこちらで見ることができる。特に有名なのが、クユジャック地区。フォトスポットとして、国内外から多くの観光客が押し寄せて賑わいを見せ、ニュース番組でもよくとりあげられている。手作りのラベンダーオイルの他、香り袋などが農家さんの軒先などでも売られていて、それを買うのも楽しみの一つに。

見られる場所 Keçiborlu(ケチボルル地方)のKuyucak(コユチャック地区)周辺。
特に、下記村が有名。
Kuşcular köy(クシュジュラル村)
Çukurören köy(チュクリョレン村)
見頃 6月~7月末ごろまで。
※最盛期は7月末。8月から刈り取りはじめ

 

ユリ

クユジャック地区のユリ畑/ウスパルタ・トルコ

ここ最近、第三のお花畑として観光客誘致に力を入れている品種が、ユリ(Zambak)。開花時期はローズと重複する5月頃。今は観光客の目を楽しませる目的のユリも、将来的には精油がとれるまでになるかもしれない。

見られる場所 Keçiborlu(ケチボルル地方)のKuyucak(コユチャック地区)
見頃 5月初旬~中旬にかけて、一週間程度。

 

ウスパルタの市中を観光しよう

ウスパルタ市は、ウスパルタ県の県都で、元々はスパルタという古代都市に由来している。上で紹介した、ローズ・ラベンダー・ユリはウスパルタ市の郊外の各地区にあり、拠点となるのはここウスパルタ市だろう。ウスパルタでついでに観光するなら、どのようなところがあるのかまとめてみよう。

ウスパルタ・絨毯・キリム博物館

ウスパルタ・絨毯・キリム博物館

トゥラン・ヤズガン博士・民俗学博物館(Prof. Dr. Turan Yazgan Etnografya Müzesi)に併設されているウスパルタ・絨毯・キリム博物館(Isparta Halı ve Kilim Müzesi)。カーペットやラグを中心に、トュルク民族が使ってきた製品が約3,500点展示されている。元遊牧民族であるトルコには、地方ごとにオリジナルの絨毯がある。ここウスパルタ地方でも、古くから伝統的なコットンの手織り絨毯があるのだ。観光客向けではなく、生活に必要なものであった絨毯の歴史を見ることができる。奇抜な大きな3つのローズ・オブジェが目を引く。

トルコ絨毯

ウスパルタの絨毯は、“Isparta Halısı(ウスパルタ・ハルス)”という固有名詞になるほど、品質の良いコットン・カーペットを生産する町であった。市内中心部には、“ウスパルタ絨毯宮殿”なる市場があり、月・水・金に取引されていた。今は、中心部のカーペット・ショップで購入できる。

 

goo.gl

ウスパルタ市内の中心部でショッピング

ウスパルタ市内/トルコ

ウスパルタ市内中心部の繁華街は、イスタシヨン通り(Istasyon Caddesi)とミマール・シナン通り(Mimar Sinan Caddesi)が交わる辺りで、ショッピングやレストラン・カフェはこの辺りに集中している。ウスパルタにある2つのバザール(Firdevs Bey Bedesten Kapalı Çarşısı/フィルデヴス・ベイ・ベデステン・バザール、Üzüm Pazarı/ユズム・バザル)もこの辺りだ。フィルデウズ・ベイ・ジャーミィ(Firdevs Bey Camii)を目指そう。ご紹介したローゼンスのショップもこの辺りにある。

ラベンダーの香袋はお土産に人気/ウスパルタ・トルコ

ローズ・ウォーターが入ったお菓子やスイーツ類、ジャム類、化粧品、エッセンシャルオイルで、お店はピンク一色。女性なら誰もがワクワクする光景だろう。ただし、一般的なショップの安価な製品は、品質が良いものではない(ケミカル)なので注意したい。

ローズ・オイルの精油工程を見学する

伝統的な抽出用の道具/クユジャック村・トルコ

古くから行われてきた伝統的な製法でローズ・オイルをつくる工程を、クユジャック村で見学することができる。それぞれのローズ畑では、家族総出で朝早くから摘み取る。袋の付いたエプロンを腰に巻くのが伝統的スタイルだ。摘み取った花をプラスチック製の袋に入れてしまうと、香りが落ちてしまうので、このスタイルなのだとか。摘み取られたローズは、精油工場に運ばれる。
ギュル村(ローズ村)の様子を動画で見ることができる。

見て、食べて、地元へ貢献

バラジャムイメージ

香り高いことで知られるダマスク・ローズの原産国は、ブルガリアではなくトルコ。さらに、世界のローズ・オイル生産量に占めるトルコの割合は、実に65%にものぼるということは、あまり知られていない事実だ。ウスパルタのバラは、古くからこの地方の農業の一つだが、朝早くから働いても、実際には、数千円にも満たない収入しか得ることができなかった。それを救ったのが、ローズとラベンダーの観光業。オーガニック・ローズの収穫、バラのジャムとバターたっぷりの朝食、バラのお茶といったツアーが世界中のナチュラル志向のツアー客に人気。訪れて私たちが楽しむことで、地元に貢献できるwin-winな関係。旅は最高だ。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

アクセス

パムッカレ・ツーリズム販売店/パムッカレ村

最寄りのウスパルタへは、下記のいずれかの方法がいい。

  • アフィヨンからツアーで参加する
  • パムッカレの拠点となる町デニズリからレンタカーで行く
  • リゾートの町アンタルヤからレンタカーまたはツアー参加で行く

現時点で、VELTRA等、日本から予約できる方法は無いよう。6月~7月にトルコを訪れるなら、湖水地方でバラとラベンダーの香りに包まれる計画を立ててみるのがおすすめだ。

 

 

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