メソポタミアを旅しよう!マルディン観光スポット15選

公開日 2021年7月18日 最終更新日 2021年9月23日

マルディン(Mardin)は、小高い山の斜面をエキゾチックな石造りの建物がぎっしり埋め尽くす町で、ユネスコ世界遺産リスト登録にも推奨されている。丘の上に登ってみれば、眼下には石造りのドームやミナレット越しに、どこまでも続くメソポタミアの大地が広がっていて、まさしく絶景だ。メソポタミアとシリアの文化が色濃いマルディンを旅したら、ここに行きたい観光地を整理しよう。

マルディンについて

マルディンは東南アナトリアにある。シリアと国境を接するエリアだ。トルコ人のほか、アラブ人、シリア人、アルメニア人、アッシリア人などが居住していて、シリア正教会も多くある。

トルコの地域区分

マルディンとは”城”の意味があり、3世紀頃、ペルシア人の戦士部族が定住していたことから名付けられたという説がある。シルクロード沿いにある町で、古くから銀細工などの職人たちが活躍していたエリアでもある。マルディン県内には、シルクロードで繁栄した遺跡や町並みが残されている。

 

マルディンの海外安全情報

マルディン安全情報

マルディンは、シリア国境付近にあり、

レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)

が出されています。渡航・観光はできません。(いつか旅できることを願いメモしておきます。)
トルコとシリアは仲良しの国だった頃(大統領同士が家族ぐるみのお付き合いだった頃)は、イラク・イラン国境付近が不安定だった為レベル1~2でした。イラン・イラクの次はシリア。残念この上ないエリアです。

マルディン市観光スポット

1. マルディン城

マルディン城/マルディン

石造りの建物が立ち並ぶ斜面、その頂点にあるのがマルディン城(Mardin Kalesi)だ。1600年ほど前、シュメール人によって建築され、別名“鷹の巣”とよばれている。マルディン城のすぐ下には、ナイップ・ハマムやズィンジリイェ神学校などの歴史的な建物が立ち並ぶ。
※2020年4月現在、マルディン城は閉鎖されています。

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2. マルディン・ウル・ジャーミィ

マルディン・ウル・ジャーミィ

ウル・ジャーミィ(Mardin Ulu Camii)は、グランド・モスクの意味があり、その町で一番大きく、歴史もあって、町のシンボル・ジャーミィであることが多いもの。マルディンもまた、例外ではない。今見ることができるジャーミィは、2010年頃に復元されたもの。元々は、12世紀頃に建てられた教会であった。黄味がかった石で造られたミナレットとドームが特徴的。

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3. マルディンの伝統的家屋

マルディンの伝統的家屋

マルディンで古くから建築されてきた家屋(Mardin evleri)の石は黄色っぽい色をしている。使われている石材は、近くの鉱山から切り出された黄色い石灰岩。木材を一切使用されず建てられている。入口をはじめ、さまざまな場所にモチーフが刻まれているのも大きな特徴の一つ。酷暑の夏と極寒の冬、どちらにも、対応できるよう工夫された設計なのだ。中でも、フィルデヴス・キオスク(Firdevs Köşkü)からの見晴らしは必見。

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4. 2つのキャラバンサライ

ゲルスケ・キャラバンサライ/マルディン

キャラバンサライは、トルコ各地に複数残されている。マルディン市内を横切るメインストリートに面するSurur Hanı(スルル・キャラバンサライ)は、残念ながらその一部を残すのみ。マルディン郊外のミディヤットにあるGeluske Hanı(ゲルスケ・キャラバンサライ)は行くのが少し大変だが、こちらの方が雰囲気を味わえる。どちらもレストランが入っていて、ディナーもランチも◎。スルル・キャラバンサライは少しわかりづらいところにあるので、“VAKIF OTELLERİ”の看板を頼りに行こう。

スルル・キャラバンサライ

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ゲルスケ・キャラバンサライ

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2つの神学校

5. カースミーイェ神学校

カースミーイェ神学校/マルディン

マルディンには、ディヤルバクルを首都とし、11~15世紀頃に繁栄したアルトゥルク朝の建物が多く残されている。そのアルトゥルク朝のカスム皇帝のために建てられたカースミーイェ神学校(Kasımiye Medresesi)は、15世紀頃完成したもの。イスラム教教育はもちろん、医学に関する教育にも力を入れていた学校だ。3つのドームの形に注目を。

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6. ズィンジリイェ神学校

ズィンジリイェ神学校/マルディン

ズィンジリイェ神学校(Zinciriye Medresesi)は、イサ・ベイ神学校という別名を持っていて、アルトゥルク朝最後の皇帝であるMelik Necmettin İsa bin Muzaffer Davud bin El Melik Salih(メリク・ネジメッティン・イサ・ビン・ムザッフェル・ダヴド・ビン・エル・メリク・サリヒ)によって建てられたもの。見晴らしがよく、マルディン城を撮影するなら、この神学校から見上げるアングルが最高だ。

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2つのシリア正教会

7. 40人教会

40人教会/マルディン

マルディン市内中心部にある40人教会(Mor Behnam(Kırklar)Kilisesi)は、6世紀頃に建築されたもので、モル・ベフナムとその妹によって建てられた。40人教会の名前の由来は、ローマ皇帝によるキリスト教弾圧があった3世紀頃、シワスで殉教した40人のギリシャ人を讃えるために名付けられたらしい。1799年以降、ここも学校として利用され、1928年までは実際に利用されていた。

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8. 聖母マリア教会と総主教座

聖母マリア教会と総主教座/マルディン

1895年に建てられたシリア正教の総主教座(Meryemana Kilisesi ve Patrikhanesi)は、文化観光省に移管された後は、博物館として利用されている。隣接するシリア正教会、聖母マリア教会が建てられたのは割と近年の1986年。シリアはどうしてもイスラム教のイメージが強いが、6世紀頃からシリア・メソポタミアエリアで信仰されていたのは、キリスト教・シリア正教会だった。マルディンにも、シリア正教会が残した教会や修道院が多く残っているのは、そのためである。

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2つの博物館

9. マルディン博物館

マルディン博物館

1995年以降に博物館(Mardin Müzesi)としてオープンする前は、警察署や宗教室や保健所等として利用されていた。元は1895年に建てられたシリア正教総主教庁であった。ペルシャ、ローマ、ビザンチンからオスマントルコまで、幅広い歴史上の貴重なタブレットやコイン、ブレスレッド等のコレクションを所蔵。メソポタミア文明が好きな人には、たまらない博物館だろう。

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10. サバンジュ・マルディン市博物館

サバンジュ・マルディン市博物館

建設年は不明なものの、博物館(Sabancı Mardin Kent Müzesi)になる前は、兵隊の宿舎として利用されていた建物だ。2009年にサバンジュ財団によって博物館に生まれ変わり、今は現代美術が展示されている。

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郊外へ足を伸ばそう!

11. デイルルザファラン修道院

デイルルザファラン修道院/マルディン

マルディンから5km離れた場所にある、シリア人によって建てられた太陽の神殿という意味のデイルルザファラン修道院(Deyrulzafaran Manastırı)。建物の一部にサフランが使用されているのだとか。シリア人のための施設の中で最も古い建物で、今でも宗教的な集まり等で現役で利用されている。

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12. マルディン・ダラ遺跡

マルディン・ダラ遺跡

マルディン市内から30km郊外に、貴重な遺跡・ダラ(Mardın Dara Antik Kenti(Dara Mezopotamya Harabeleri)がある。別名、メソポタミアのエフェス遺跡と称されるほど、メソポタミアの重要な古代都市であった。ダラは、505年に建設された都市で、国境を警備する上で重要な軍事戦略都市。4kmの城壁に囲まれ、宮殿、市場などの他、ローマ時代の洞窟住居も発掘。まだまだ発掘途中のダラ遺跡は、そのほとんどが地下に埋まったまま。今後も期待される重要な遺跡だ。

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13. 聖ガブリエル修道院

聖ガブリエル修道院/マルディン

マルディン市内から23kmほど離れたギュンギョレン村にある聖ガブリエル修道院(Mor Gabriel(Deyrulumur) Manastırı)は、シュメルとモル・シェムン、2人によって、397年頃に建てられたもの。世界最古の修道院で、シリア正教会にとっても重要な修道院の一つだ。マルディン市内から少し離れたところにあるが、マルディンを訪れるのなら、わざわざでも訪れるべき修道院である。

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14. ハサンケイフ

ハサンケイフ/マルディン

ハサンケイフ(Hasankeyf)は、12,000年の歴史がある町で、歴史的な橋脚や墓などがある長閑な小さな町。ただの小さな町だが、2019年以降、ダムに沈む町として、賛否両論で活発な報道をされてから有名な町になってしまった。詳しくはナショナルジオグラフィックの動画を。

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15. ミディヤット

ミディヤット/マルディン

マルディンから、聖ガブリエル教会に向かう途中にあるのが、ミディヤット(Midyat)の町だ。昔、アッシリア人が多く住んでいたこの地は、キリスト教徒の町であったため、旧市街には、伝統的家屋を利用した博物館Konuk Evi(コヌック・エヴィ)、キリスト教会などの遺跡が残されている。上でご紹介したキャラバンサライも、ここミディヤットにある。

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マルディンの景観へ会いに行こう!

マルディンの夜景

マルディン城と、その眼科に広がる石造りの家々は、マルディン文化的景観地区(Mardin Kültürel Peyzaj Alanı)として、ユネスコ世界遺産リストに推薦されている。おそらくいつの日か、ここも世界遺産となるのだろう。

屋上のカフェテラス/マルディン

 

建物の屋上には、こうしたカフェテラスがある。ここから見るミナレットと石造りのドーム、そしてアッパー・メソポタミアの平原はマルディンに来てよかった、と思わせてくれることだろう。

アクセス

アナドルジェット

マルディンに行くなら、航空機一択。イスタンブールから、ターキッシュエアラインズ、ペガスス航空、アナドルジェットが飛んでいる。マルディン空港は小さな空港なので、スケジュールを組む際には、空港待ち時間があまりないように計画を。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2020/5/2)をリライトしたものです。

 

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