トルコで断食(ラマダーン)期間中に旅する際の注意点とは?

公開日 2018年8月17日 最終更新日 2021年10月2日

私個人としてはイスラム教ではないため、あくまでラマダン中に旅して気がついたことを書く。イスラム暦(ヒジュラ暦)第9月のことを、Ramzan(トルコ語/ラマザン)といい、大切で神聖な月になっているようだ。年に一度必ず訪れるラマザン期間中にトルコを訪れるなら、知っておいた方がよいことをまとめてみた。

ラマザンを知ろう

ラマザンとは?

コーラン

この月において、ムスリムは日の出から日没にかけて、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むことを重視する。また共に苦しい体験を分かち合うことで、ムスリム同士の連帯感は強まり、多くの寄付や施しが行われる。
断食中は、飲食を断つだけではなく、喧嘩や悪口や闘争などの忌避されるべきことや、喫煙や性交渉などの欲も断つことにより、自身を清めてイスラム教の信仰心を強める。(wikipediaより引用)

食べ物・飲み物・嗜好品すべて口にしないことで、恵まれない人の苦痛をわかちあうということなのだそう。中東諸国ではラマダーンといい、トルコ語圏ではラマザンと言う。

ほとんどの人が断食をする

断食することを、トルコ語でOruç(オルチ)と言う。普段、飲酒喫煙を嗜む人も、スカーフをしない女性も断食だけはする。病気の人や高齢者、妊婦はしなくていいらしい。ツアーガイドも、真夏40℃をこえる炎天下の下でも、水一滴も口にしない。断食をすることで、心がとてもきれいになるとトルコ人たちはいう。何より毎日が楽しくて充実しているようだ。

陽が昇る前・陽が落ちた後は食べてOK

ラマザン(ラマダーン)の食卓例

断食はあくまで、太陽が昇っている間のみ。日本での一般的な断食やファスティングとは全然違う仕組みだ。ラマザンに入ると、TVや新聞などで断食を行うべき開始時刻と終了時刻が周知され、地域ごとに分刻みで断食が開始され、終了していく。その時刻までに必ずSafır(サフル:朝食)を食べ終え、Iftar(イフタル:夕食)を食べ始める。

お母さんたちが主役?!

ロク厶などのお菓子も欠かせない

ラマザン期間中の女性は大変。陽が昇る前までに起きて朝食を準備し、家族を起こして朝食を食べさせる。食べ終えたら再び寝る。イフタルとよばれる断食中の夕食は特別なもので、大勢で食べるため、準備が大変。午後はずっと夕食の準備をするが、味見はもちろんできない。なんて大変なのだろう、と感心する。親戚・友人知人に招待されたり、レストランに食べに行ったりするので、毎日ではないにしても、すごいことである。

ラマザン時期は変動制

断食中にライトアップされたブルーモスク/イスタンブール

イスラム暦(ヒジュラ暦)は一年が354日のため、断食月は毎年前の月にずれこんでいく。Google検索で「Ramazan 2020」などと検索すると出てくる。そのほか、東京ジャーミィでも教えていただけるはずだ。

東京ジャーミィ

tokyocamii.org

トルコ宗教省

ramazan.diyanet.gov.tr

旅する際の注意点とは?

ラマザン期間中でも問題なし

ツアーのイメージ

ムスリムではない私たちが旅する場合は、ラマザン期間中であっても、何も問題なくいつも通りに、観光や食事を楽しむことができる。ラマザン中だからといって、施設やレストランが閉まってしまうことはない。無論、私たちに断食を強制することもない。現地ツアーガイドがイライラするということもなく、むしろいつもよりにこやかに思えるくらいだ。

夕食は混み合うレストラン

トルコのレストラン

ただし、夕食は特別気をつけなければならない。どのレストランも遅くまで混み合う為、トルコ人たちは事前に予約を行っている。念の為、予約をした方がいいかもしれない。各モスク前には、食事を提供するためのテントが設けられていて、無料で食事がふるまわれている。旅行者でももちろんOK。チャレンジしてみるのもいいかも。

特別なライトアップも

ライトアップされたブルーモスク

一部のモスクなどでは、ラマザン期間中はライトアップを実施している。この時期にしか撮れない景色をカメラにおさめるのもよさそう。ラマダン期間中だからといって、観光客に特別影響するようなことはなさそうだ。

すばらしいトルコ滞在となりますように。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2018/8/17)をリライトしたものです。

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