実はトルコはチーズ大国!人気の6種類をピックアップしてみた件

公開日 2021年10月6日 最終更新日 2021年10月15日

トルコがチーズ大国であることは、あまり知られていないようだ。考えてみれば、テュルク民族は遊牧民なのだから当然といえば当然である。そのトルコで定番なのは白チーズだが、ブルーチーズも含め種類は実に豊富。牛(Inek)・羊(Koyun)・ヤギ(Keçi)のミルクからつくられ、混合ミルクでつくられることもある。朝食には数種類のチーズそのまま食卓へ、ランチにはチーズ入りのサンドイッチやタペストリーを、夕食にはチーズを使った前菜や料理の数々がテーブルに並ぶ。チーズはトルコの食卓になくてはならないものの一つで、すべてご紹介することは難しい。私が大好きなトルコのチーズの一部を紹介したい。

1. ホワイトチーズ

ホワイトチーズ(Beyaz Peynir)

ホワイト・チーズ(Beyaz Peynir)は一番メジャーで一般的なチーズだ。牛・羊・ヤギなど様々な種類のミルクから作ったチーズや、全乳・脱脂乳から作ったチーズ、熟成させたチーズなどなど、多種多様にあるようだ。

ホワイトチーズのギョズレメ

ほろっとした食感はカッテージチーズに似ていて、堅くもなく柔らかくもない、「ちょうど良い」バランス。その為、トルコの定番小麦料理であるボレキやギョズレメといったペストリー系お菓子に多用される。スイカやオリーブとの相性も抜群で、食材の組み合わせもバリエーション豊かだ。

トルコの朝食

朝食にはそのままで、ランチにはペストリーやサンドウィッチで、夕食にはメゼとして大活躍。また、ラクというお酒のおつまみにも欠かせないチーズだ。どこでも手に入りやすいチーズだが、エディルネ、アンタルヤ、そして特に、チャナッカレ県のエズィネ産が特に評判がいい。

トルコの定番朝ごはん

周りがひいちゃうくらい、大量のチーズを食べてしまう。

ユクセロールラル・チーズ専門店

ユクセロールラル・チーズ専門店(Yükseloğulları Peynircilik)は、1953年から営業している、エズィネで一番人気のある専門店。フレッシュで、安心・安全がモットーらしい。オーガニックなチーズもあり、トルコ中からチーズ好きがショッピングに訪れている。
www.yukselogullari.com

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2. トゥルム・チーズ

トゥルム・チーズ(Tulum Peynir)

トゥルムとは、「羊の革」を意味する。昔は、羊の革に入れたミルクで熟成発酵させていたため、この名前となったのだとか。トゥルム・チーズ(Tulum Peynir)は、羊や牛のミルクから作られる。どのミルクからどのように作るかは地域ごとに異なるため、味や風味も異なっている。共通しているのは、製造の過程で最低でも3~6か月ほど熟成させるということ、なのだとか。

トゥルムチーズのサラダ

クリーミーでなめらかなトゥルム・チーズは、そのままいただいたり、前菜としてバゲットにのせていただいたり、ピデをつくることもある。

ベルガマ・トゥルム・チーズ

イズミルで購入できる、ベルガマ・トゥルムチーズは、塩水に浸して熟成させているクリーミーなチーズで、クセもなくおいしい。遺跡巡りの合間にバザールへ立ち寄って試してみるといいかも。

3. ミハリチ・チーズ

ミハリチ・チーズ(Mihalıç peyniri)

ミハリチ・チーズ(Mihalıç peyniri)の歴史は古く、オスマントルコ帝国時代には作られていたようだ。塩気があるチーズで、よくパルメザンと比較されることがある。低温殺菌されていない羊のミルクから作られるミハリチは、堅くなる前に塩水に浸して保存。羊だけでなく、牛やヤギのミルクからも作ることがある。

ミハリチ・チーズのサラダ

塩気があるので、そのまますりおろして、サラダやパスタなどの料理に振りかけるのが定番だ。私はこのままペロッと食べてしまう。このチーズは、バルケシル(Balıkesir)とブルサ(Bursa)の特産品になっている。

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4. ロル・チーズ

ロル・チーズ(Lor Peynir)

ロル・チーズ(Lor Peynir)は、カッテージチーズのように、ほろっとしたチーズだ。ロル・チーズにオリーブオイル、スパイスやハーブを混ぜ込んで、前菜としていただいたりする。塩気がなく、あっさりした感じで、白チーズと同じように、ペストリー系のお菓子に使われることが多いようだ。

ロル・チーズ(Lor Peynir)

ロル・チーズは、バルケスィル県マニヤスの特産品になっている。

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5.ヘッリム・チーズ

ヘッリム・チーズ(Hellim Peyniri)

知る人ぞ知るヘッリム・チーズ(Hellim Peyniri)、キプロス生まれのチーズであるハローミチーズと同じチーズらしい。ハローミチーズを食べたことがないのだけれど、見た感じ同じだろう。羊、山羊、牛のミルクから作られるチーズは、かなり塩気が強く、そのままで食べずに水につけて塩気を抜いてから焼いていただく。フライパンなどで両面焦げ目がつくまでやけば、ほどよくトロッととけるチーズに。たまらない~。そのまま食べないチーズというのもめずらしい。

ヘッリム・チーズ(Hellim Peyniri

ハンバーガーに挟んで食べるのも、焼いたチーズをそのまま食べるのも、どちらもおいしい。腸贅沢なとろけるチーズ。最高だ。

6.キュフリュ・チーズ

キュフリュ・チーズ(Küflü Peyniri)

ブルーチーズ好きにおすすめしたい、キュフリュ・チーズ(Küflü Peyniri)は、コンヤの特産品。季節によって牛と羊のミルクの配合を変更するらしい。ひよこ豆や大麦の酵母を使っていて、3カ月間熟成させる。おそらく、ブルーチーズはトルコではまだ一般的とは決して言えない状況(と思う)が、それでも西側の大都市では人気があり、仕入れまで一年待ちになっているのだとか。チーズ好きのみなさん、コンヤで見かけたらぜひ味見を。

お土産にチーズを買う際はご注意を!

バザールのチーズ/トルコ

お土産としてトルコのチーズを日本に持ち込む場合は、いくつかの条件下において検疫が必要となることがある。個人が楽しむ範囲内で、手荷物又は別送品としての輸入、10kg未満であれば大丈夫なようだが、変更になることがあるため、詳しくは、動物検疫所HPをご確認の上、お買い求めください。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2019/8/20)をリライトしたものです。

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