イスタンブールの下町?ユスキュダルを訪れるべき魅力とは

公開日 2021年9月26日 最終更新日 2021年10月8日

ユスキュダル(Üsküdar)は、イスタンブールのアジアサイドにあって、どこか下町っぽい印象のある地区だ。ヨーロッパサイドに比べたら、観光地としては少し地味な印象でもある。年配の方なら、「ウスクダラ、はるばるたずねてみたら~」という江利チエミさんの歌声を思い出す、かもしれない。長くギリシャ人居住区だったが、度重なる戦争のため、今はオスマン帝国以降の建物しか残されていないようだ。そんなユスキュダルの観光スポットとは、どんなところだろうか?

1. クズグンジュクの街並み

クズグンジュクの街並み/ユスキュダル・イスタンブール

ユスキュダルの観光名所として有名なのは、クズグンジュク(Kuzguncuk)とよばれる地区の町並みだ。映画やドラマの撮影場所としても使われるノスタルジックな景色は、絶好のフォトスポットとして知られている。二階が突き出たような邸宅は、イスラム教徒ではない、ユダヤ人たちが住んでいた町なのだそう。古い石畳の道、カラフルな壁と花を愛でながらの散歩はおすすめできる。疲れたら、カフェで一休みをしよう。

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2. ミフリマー・スルタン・ジャーミィ

ミフリマー・スルタン・ジャーミィ/ユスキュダル・イスタンブール

ミフリマー・スルタン・ジャーミィ(Mihrimah Sultan Camii)は、アジアサイドを代表する観光スポットだ。トルコのドラマ『オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~』や、篠原千絵さん著のマンガ『夢の雫、黄金の鳥籠』でもおなじみ、スレイマン皇帝とヒュッレムスルタンの愛娘のために造られた。スレイマン皇帝は一人娘をたいそう可愛がったそうで、そのミフリマーのために建てられたこのモスクは、天才建築士ミマール・シナンによるもの。ミマール・シナンは、ひそかにミフリマーに恋心を寄せていたとの言い伝えがある。シナンは、ミフリマーをどう想っていたのだろうか。

ユスキュダル駅付近/イスタンブール

外観は、あまり派手さや壮大さは感じられないモスクだが、実際はとっても美しいジャーミィだ。船で渡るなら、ウキュダル桟橋のすぐ目の前にあって、マルマライのウスキュダル駅を降りて徒歩数分の場所にある。気軽に訪れてみよう。

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3.ブユック・チャムルジャの丘

チャムルジャの丘から見るイスタンブールの夜景/トルコ

チャムルジャの丘(Büyük Çamlıca Tepesi)は、イスタンブールで一番高い丘の為、テレビ塔も建てられている。素晴らし景色を求めて訪れる人が絶えない場所で、近くには、カフェレストランが点在している。できれば、事前に眺めの良い窓際の席を予約するのがオススメだ。夜になれば、当然、恋人たちが集まる場所に。2019年3月、ここチャムルジャの丘に世界最大のジャーミィが完成した。

4. ベイレルベイ宮殿

ベイレルベイ宮殿/ユスキュダル・イスタンブール

ボスポラスに面した宮殿は、ベイレルベイ宮殿(Beylerbeyi Sarayı)とよばれる。ベイレルベイとは、貴族の主といったような意味で、高貴な人々が滞在するにふさわしいといった意味があるようだ。1863年8月6日~1865年4月21日に建てられたスルタンの夏の宮殿であり、迎賓館としても使われていたそうだ。ちょうど位置としてはボスポラス海峡大橋(7月15日殉教者の橋)の麓に位置していて、アジアとヨーロッパを繋ぐ橋と宮殿のアングルは、さまざまな旅行誌にも取り上げられている。

ベイレルベイ宮殿/ユスキュダル・イスタンブール By Edal Anton Lefterov – Own work, CC BY-SA 3.0, Link

内部は無論豪華で煌びやか。皇帝が使っていた豪華な部屋や寝室、ハマムなどを見学できる。シャンデリアはほとんどが、バカラ製だ。絨毯は品質が高いことで知られる、イズミルの北にあるコジャエリ県ヘレケでつくられたもので、最高級の手織りのトルコ絨毯だ。

ブユック・チャムルジャの丘/イスタンブール・トルコ

チャムルジャの丘から眺めるイスタンブールの景色も良いのだが、ボスポラス海峡クルーズから見上げるベイレルベイ宮殿とチャムルジャの丘もまた素晴らしい眺めなのだ。

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乙女の塔

乙女の塔/イスタンブール

乙女の塔(Kız Kulesi)は、灯台のようで灯台ではない、不思議な塔である。紀元前24年頃から、要塞、亡命用の基地、刑務所、隔離施設、ラジオ放送局などとして利用されてきた。2000年に入ってから、民間企業によって修復された後、博物館と、併設するカフェバー・レストランとして営業してきた。乙女の塔の名前は、「王の娘は18歳にならずに死ぬ」という予言を実現させない為、王は塔に大切にかくまったのだが、ちょうど18歳の誕生日に、王がお祝いに持参した籠の中に隠れていた蛇によって、姫は死んでしまった、という伝説からきている。この他にも、この乙女の塔には数々の伝説が残されている。

乙女の塔公式サイト

kizkulesi.com

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イスタンブールの日常を旅しよう!

ユスキュダル桟橋/イスタンブール・トルコ

昔は船でしか行けなかったアジア側も、今はマルマライ線でアクセスが簡単に行けるようになった。見所の多いヨーロッパ側だけではなく、アジア側も足をのばして訪ねてみると、観光地では見えなかったイスタンブールの「におい」がよくわかる。よりディープなイスタンブールの日常を垣間見ることができて、ユスキュダル観光はおすすめである。

 

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※この記事は、トルコのとりこ(2019/7/23)をリライトしたものです。

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