
これも世界遺産☆トルコの薄い無発酵パン・ユフカとラワシュ
ユフカとラワシュは、どちらも薄いクレープ状のパンで、トルコだけでなく、中東~コーカサス地方の周辺各国で食べられていて、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。水・小麦粉・塩で作った生地を、薄く伸ばして焼いたシンプルなもので、小麦が美味しいからか、噛むたびに小麦の風味が口の中に広がっていくのが最高。ラップサンドのように、お肉や野菜を巻いて食べたり、パイ生地のようにしてスイーツにしたり、大活躍。大好きなユフカとラワシュをまとめてみた。
ユフカ(Yufka)
ユフカとは?

ユフカの実演販売の様子
ユフカはフィロともよばれ、ギリシャ語の「葉」が起源とされている。イーストを使わず、とにかく伸ばして伸ばして、薄く大きく広げた生地はペストリー用。何層も重ねてパイを作ったり、チーズやほうれん草などを挟んで焼き上げてペストリーを作ったり、バクラヴァなどのスイーツを作る。トルコだけでなく、シリアやエジプト料理にもよく使われているようだ。

ギョズレメ
トルコを旅していると、いたるところで見る、ギョズレメ作りの実演。ギョズレメは、現地ガイドさんの説明では「トルコのクレープ」。丸い台の上で麺棒を使って丸く伸ばし、チーズやほうれん草を挟んで、鉄板の上でさっと焼く。家庭でも作られるのだけれど、作っているそばから自分か誰かが食べてしまい、一向に増えていかないというのは、トルコあるある。
ユフカを使った料理
例えば、朝食やおやつの定番の「Börek(ボレキ)」や、中東のスイーツの王様「Baklava(バクラヴァ)」は、ユフカを使った定番料理。

ギョズレメ
「Gözleme(ギョズレメ)」は、軽食やおやつとして食べられている。Kaşar Peynir(カッテージチーズ)やほうれん草、香ばしいひき肉を、ユフカでくるっとまいて焼いただけの、シンプルなもの。余分な味がしないのだけれど、小麦が美味しいからなのか、最高においしくて大好き。女性ならランチはこれで十分そう。ユフカを使った料理やお菓子はどれも軽いので、ついついたくさん食べてしまう。
ユフカが食べられるお店

バクラヴァ専門店のユフカ
バクラヴァやボレキは、バクラヴァジュとよばれるバクラヴァ専門店やスイーツ店で食べることができる。ギョズレメは、軽食出す様なお店にあったり、カッパドキアをはじめとした小さな町や村では、カフェなどでも提供されている。バスターミナルなどの軽食を出すお店やサンドイッチが並んでいるお店でも食べられる。
ラワシュ/ラヴァシュ(Lavaş)
ラワシュとは?

ラワシュ
ラワシュ(ラヴァシュ)は、イラン・アルメニア、アゼルバイジャン等の、中東・コーカサス地方を中心に、トルコでも食べられているラップサンド用の薄いパン。ユフカよりも厚めで小さめ。複数国の無形文化遺産としてユネスコに登録されている。当初、アルメニアが発祥とされていたことから、アルメニアの文化遺産だったけれど、周辺各国の抗議によって複数国の文化遺産となったらしい。

タンドールで焼くラワシュ
小麦粉・水・塩の生地を、土中にある釜(タンドール)で焼かれてきた。タンドールがなくても、生地を伸ばしたら鉄板で焼くのが一般的かもしれない。

ラワシュ作り
トルコでは、パン屋さんがすごい勢いで作っているのを見ることができる。ラワシュやユフカだけでなく、他のパンもどんどん作ってどんどん焼いていくのだけれど、どんどんなくなっていくからびっくりする。
ラワシュを使った料理

シシ・ケバブとラワシュ
ラワシュはとにかく具材を巻いて食べるパン。特に、ケバブ屋さんやレストランでシシ・ケバブ(串にさされたケバブ)を食べる際に、バゲットにするかラワシュにするかご飯にするか選べたりする。その時に「ラワシュでお願いします!」と指定することで、ラップサンドにしてくれる(自分でクルクルするor指定できないこともあります(;’∀’))。「今日はなんか軽く食べたいな」という時にはラワシュがおすすめ。ケバブとの相性は抜群なので、絶対に試してほしい。
ラワシュが食べられるお店

ドネル・ケバブ
ケバブジュ(ケバブ専門店)、レストラン、ロカンタなど、どこでも食べられる。日本でラップサンドが苦手な人でも、小麦本来の味を楽しめるトルコのラワシュは一度は試してみるべき一品だ。
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※この記事は、トルコのとりこ(2019/7/9)をリライトしたものです。