ここも世界遺産!ビザンチン最古の教会・イスタンブール・ゼイレック・ジャーミィ

公開日 2021年10月22日 最終更新日 2021年10月22日

イスタンブールのゼイレッキの丘にあるモスク、ゼイレッキ・ジャーミィ(Molla Zeyrek Camii)は、ビザンチン時代の教会をモスクに改築したもの。現存する教会の中で、ビザンチン帝国時代に建築された最古の修道院であり、アヤソフィア・ジャーミィに次ぐ古い教会であるゼイレッキ・ジャーミィ。ユネスコ世界遺産リストにも含まれている。見た目も内部も古き良きビザンチンの香り漂うゼイレッキ・ジャーミィへ。

ゼイレッキ・ジャーミィとは?

ゼイレッキ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

金角湾を臨むゼイレッキ・テペシ(ゼイレッキの丘)にある、ゼイレッキ・ジャーミィ(ゼイレックモスク)の前身は、「宇宙全能の神」を意味しているパントクラトールと名付けられた修道院だったらしい。ビザンチン時代の1124年頃、皇帝ヨハネス二世コムネスの妻アイリーンによって建設され、彼女の死後に完成した。建設当時としては、レンガで建てるのが一般的だったようだ。

ゼイレッキ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

向かって右側は、ユネスコの協力を得て修復されたらしい。元々、3つの修道院で構成されているらしく、パントクラトール、大天使ミカエル、聖母マリアと、それぞれの名を戴く修道院になっているそうだ。現存する最古のビザンチン時代の修道院として、ユネスコ世界遺産リストにも名を残した。

ゼイレッキ・ジャーミィとゼイレッキの丘/イスタンブール・トルコ

今はモスクとなっているけれど、オスマン帝国皇帝メフメト二世がイスタンブールを征服した直後は、神学校として使われていた。神学校の教授の名が「ゼイレッキ」であったことから、ゼイレッキ・ジャーミィと呼ばれるようになったのだとか。

複合施設、ヨーロッパへ大量に持ち出されたアイテム

ゼイレッキ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

世界遺産に登録されたのはモスクのみではなく、周辺にある木造建築物も含む。このモスクは複合施設で、婦人科や内科の病床を持つ病院、図書館、高齢者施設、薬局などがある複合施設になっているからで、財団としての活動もしていたらしい。ビザンチン時代のこの教会の主教はヴェネツィア人で、教会が保有していたアイテムや、建築材料など、そのほとんどがヴェネツィアに持ち出されたらしい。

ゼイレッキ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

この絨毯の下は大理石の床で装飾がされていたようなのだが、それは残っていないらしい。それにしても、外観の丸みを帯びたフォルムも素敵だけれど、中はもっと美しい。トルコのモスクはこういう色使いが可愛いし美しい。

ちょっと遠いけど、訪れる価値アリ!

ゼイレッキ・ジャーミィからの眺め/イスタンブール・トルコ

1766年の地震で大きな損傷を受けたということで、1953年頃から修復を繰り返し行ってきていて、最近では2009年から2018年までの間に修復を終えているらしい。

ゼイレッキ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

ゼイレッキ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

モスクの東側・正面向かって右側の外観が見所の一つのようだ。ゼイレッキ・ジャーミィは、グランドバザールあたりから徒歩で行くと30分以上かかる。せっかくなので、ファティ・ジャーミィ、ヴァレンス水道橋をからめていくのがいいかな、と思う。

アクセス

ヴァレンス水道橋と周辺/イスタンブール・トルコ

ゼイレッキ・ジャーミィの最寄りは、ウンカパヌ(Unkapanı)バス停だ。イスタンブールのバスを乗りこなすのが難しいので、いつも徒歩で行く。スレイマニエ・ジャーミィをスタートして、シェフザーデ・モスク、ファティ・モスク、ゼイレッキ・モスク、ヴァレンス水道橋とまわるだけで一日終わることがあった。ずーっとモスクばっかり立ち寄っているとちょっと疲れるので、カフェやロカンタで休みながら歩くのがまたいい。

路地裏のカフェ/イスタンブール・トルコ

イスタンブールは、大きな通りを一歩入った路地裏にこんなオシャレなカフェがたくさんあって、こういうところでコーヒー飲むのをおすすめする。トルココーヒーとかチャイとかではなく、カフェラテやカプチーノがおいしい。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2019/11/21)をリライトしたものです。

関連記事一覧