ローマの繁栄をよびこめ!イスタンブールにある7つの丘と有名なモスクって?

公開日 2021年11月3日 最終更新日 2021年11月6日

トルコ・イスタンブールには、テペシと呼ばれるいくつもの丘が存在している。確かに言われてみれば上り下りの多い街だ。コンスタンティノープルには、長く繁栄したローマ帝国に倣い配置した7つの丘があって、丘ごとに必ずモスクが建てられたらしい。皇帝たちがつくりあげた7つの丘がとても興味深かった!イスタンブール観光前に知っておくと「ほ~」と思えるプチ情報、まとめ。

東ローマ帝国における「7つの丘」の重要性とは?

ローマ

イタリアのローマを観光で訪れるなら、ガイドブックで必ず目にするであろう「7つの丘」は、ローマ帝国繁栄の歴史を知る上で欠かせないキーワードなのだ。長い間、広大な領地を支配し続けたローマ帝国の首都ローマは、7つの丘に囲まれていたことに倣って、東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルにも7つの丘をつくり、それぞれの丘に聖なる建物を建てたとされている。

太陽系7つの惑星イメージ

7つの丘の重要性はそれだけではなかった。元々ローマ帝国の7つの丘は、地球の周囲を囲む、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の7つの惑星をあらわしているとされているらしい。東ローマ帝国皇帝が引き継いだ古代の叡智は、オスマン帝国皇帝も受け継ぎ、7つの丘にはそれぞれ、重要なモスクや建物が建てられていたようだ。

7つの丘まとめ

7つの丘はどこにあってどんな建物があるのか、トルコのテレビ局NTVの記事を参考にして、まとめてみた。

1. サライブルヌの丘/トプカプ宮殿周辺

トプカプ宮殿/イスタンブール・トルコ

東ローマ帝国時代~オスマン帝国時代にかけて宮殿があった場所は、現在も観光の中心地となっている。トプカプ宮殿とその周辺は、旧市街の中心地スルタンアフメット地区と名付けられた。旧市街地を歩いているだけだとわかりづらいけれど、ボスポラス海峡クルーズや、アジア側に渡る船から見ると、丘を削ってできているのがわかる。海抜30~40メートルほどあるそうだ。7つの丘の中でも、最も重要な丘だろう。

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2. チェンベルリタシュの丘/ヌールオスマニエ・ジャーミィ周辺

グランドバザール/イスタンブール・トルコ

スルタンアフメット地区から、グランドバザールに向かって大通りを歩くと、緩やかな上り坂になっている。この坂道はチェンベルリタシュの丘へ向かう道だ。やたら大きな柱が一本だけ立っている場所があって、「なんだこの柱、邪魔だなぁ」と思っていたら、どうやらこの辺りが中心地らしい。

チェンベルリタシュの柱/イスタンブール・トルコ

この柱は、チェンベルリタシュの柱、別名コンスタンティヌスの柱とよばれている。330年頃、コンスタンティヌス帝に敬意を表して建てられたのだそう。かの有名なチェンベルリタシュ・ハマムの近くにある。

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3. ベヤズットの丘/スレイマニエ・ジャーミィ周辺

スレイマニエ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

ベヤズットの丘は、チェンベルリタシュの丘のすぐ隣に位置している。ベヤズット・ジャーミィ、スレイマニエ・ジャーミィなど、観光客がよく訪れるスポットを含む丘だ。この丘は、海抜50~60メートルで、スレイマニエ・ジャーミィのある辺りが一番頂点とされている。「エスキ・サライ」とよばれる旧宮殿はここイスタンブール大学の地にあった。ハレムだけはここに残されていたため、しばらくの間、皇帝は後宮に馬で通っていたようだ。皇帝スレイマンの妻・ヒュッレムの請願によってトプカプ宮殿へ移されたらしい。

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4. ファーティフの丘/ファーティフ・ジャーミィ周辺

ファーティフ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

ファーティフの丘は、コンスタンティノープルの城壁が築かれた場所であり、旧市街のある半島の中でも、一番海抜が高い場所にあります。ファーティフの丘で一番の観光地は、征服王メフメト二世の眠るモスクとなるファーティフ・ジャーミィだ。イスタンブールで最も古く、最も重要なモスクのようだ。モスク近くの公園では、イスタンブール最大の青空市場も開かれている。

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5. ヤウズ・セリムの丘/ヤウズ・セリム・ジャーミィ周辺

ヤウズ・セリム・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

金角湾(ゴールデンホーン)を見下ろす小高い丘が、ヤウズ・セリムの丘とよばれる。イスタンブールで最も美しいとされるモスクである、ヤウズ・セリム・ジャーミィがある丘は、東ローマ帝国時代、多くの教会が建てられている場所だったそうだ。オスマン帝国建国後も、多くのモスクが建設され、複合施設として神学校やお墓も建てられていたようだ。周辺には、多くの学者たちが居住していたエリアだった。

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6. エディルネカプの丘/ミフリマー・スルタン・ジャーミィ周辺

エディルネカプのミフリマー・スルタン・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

エディルネカプの丘は、テオドシウスの壁の最西端を担っている。城壁のすぐ内側であったこの地域にも、訪ねるべきスポットはたくさんある。カーリエ博物館、テオドシウス城壁の門、ミフリマー・スルタン・ジャーミィ、テクフル宮殿が見どころだ。

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7. コジャ・ムスタファ・パシャの丘/ハセキ・スルタン・ジャーミィ周辺

コジャ・ムスタファ・パシャの丘周辺/イスタンブール・トルコ

イスタンブールの中でも、最も歴史ある地区が、ここコジャ・ムスタファ・パシャの丘らしい。海と反対側は小高い丘のようになっていて、びっしりと住宅が並んでいる。スレイマン皇帝の妻であるハセキ・ヒュッレム・スルタンが、初期の頃ミマール・シナンに建てさせたキュッリエ(複合施設)と、オスマン帝国最後のモスクがある。旧アタテュルク国際空港へはこの道を通って行っていた。

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夜景が有名な2つの丘

ブユック・チャムルジャ・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

7つの丘を調べてみて驚いたのは、ピエール・ロティの丘や、チャムルジャの丘といった現在の人気スポットが含まれていなかったことだ。コンスタンティノープルを守る城壁の「外」にあった丘であり、7つの丘には含まれていなかったらしい。

エユップ・スルタン・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

世界最大の規模を誇るモスクであるチャムルジャ・ジャーミィがあるチャムルジャの丘、預言者ムハンマドの友人が眠るエユップ・スルタン・ジャーミィがある、ピエール・ロティの丘(エユップの丘)も見逃せない。9つの丘にあるモスク・スタンプラリーがあればいいのに。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2019/12/20)をリライトしたものです。

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