イスタンブール・アクサライ地区周辺の観光スポット3選

公開日 2021年11月2日 最終更新日 2021年11月6日

あまり注目されないエリアだけれど、あのヒュッレムが建てさせた施設があるということで、ドラマ『オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~』やマンガ『夢の雫、黄金の鳥籠』を見たり読んだりしたことがある人なら、訪れてみたいと思うのではないだろうか。トラムヴァイのアクサライ駅は、通常は乗り換えくらいでしか使わない駅なのだけれど、ここはイスタンブール7つの丘の一つであり、イスタンブールで最古の住宅街でもあるらしい。中心街から少し離れて、地元の雰囲気を楽しみながら、歴史的な建築物を訪ねる旅をしてみよう。

ペルテウニヤル・ヴァーリデ・スルタン・ジャーミィ

ペルテウニヤル・ヴァーリデ・スルタン・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

アクサライ広場でひときわ目立つこのモスク、ペルテウニヤル・ヴァーリデ・スルタン・ジャーミィ(Pertevniyal Valide Sultan Camii)は、まだ真新しい感じさせする。オスマン帝国で最後に建てられたモスクであり、アブドュルアズィズ皇帝の母、ペルテウニヤル母后のために建てられたものらしい。アブドュルアズィズの息子であるアブデュルメジト2世は、建国の父・アタテュルクと国民によって国外追放となるので、本当にオスマン皇帝が建てた最後のモスクなのだ。

ペルテウニヤル・ヴァーリデ・スルタン・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

学校、図書館、墓、ムワッキターネ(祈りの時間を確認する場所)、警察署、6つの泉と7つのお店が付属する複合施設として建てられた。写真で見るより実際に見た方が綺麗に感じる。歴史あるモスクもいいけれど、近年に建てられたモスクも好き。

ペルテウニヤル・ヴァーリデ・スルタン・ジャーミィ/イスタンブール・トルコ

4つの柱に支えられた単一のドームの形は、オスマン帝国後期によく見られる建築様式で、ネオゴシックの大きな窓が目をひく。併設の図書館には、1800年代後半の文書が納められていたらしいが、後にスレイマニエ図書館に移され、今はのこされていない。少し残念なこととしては、1900年代の都市整備に伴って、墓の移動や、複合施設の一部が取り壊されたこと。これは他のモスクでもみられることで、今でこそ歴史遺産は残そうという動きがあるけれど、昔はさほど重要でもなかったのは、日本も同じだ。

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ハセキ・キュッリィエ

ハセキ・キュッリィエのモスク/イスタンブール・トルコ

スレイマン皇帝の妻であるヒュッレム・スルタンの願いにより、ミマール・シナンが建築したジャーミィと複合施設、ハセキ・キュッリエ(Haseki Külliye)。ミマール・シナンがオスマン帝国の主任建築士となって初めて建築した施設というところも、注目されているポイントだ。

イェディ・クレ

イェディ・クレ/イスタンブール・トルコ

イェディ・クレ(Yedi Kule)とは、Yedi=7、Kule=塔という意味で、7つの塔が城壁にたてられていたことから名付けられた。ローマ側に位置する城壁には、当初は2つの塔が建ち、後に黄金の門と2つの塔が増築されたらしい。東ローマ帝国時代、コンスタンティノープルを守る重要な役目を担うゲートとして利用されていた。

イェディ・クレ/イスタンブール・トルコ

メフメト二世がコンスタンティノープルを征服し、さらに3つの塔が追加されて、10個になったから正確にはオン(10)クレだと思う。当初は城壁として使われていたこのゴールデンゲートも、いつしか、スルタンのお気に召さなかった外国大使らを幽閉する塔へと変貌してゆく…。

イェディ・クレ/イスタンブール・トルコ

少し暗い歴史を持つイェディ・クレだが、塔の上からは、貨物船が行き交うマルマラ海を眺められる。いかにも、イスタンブールらしい景色だ。

マルマライ/イスタンブール

イェディ・クレは、マルマライ線 Kazlıçeşme (カズルチェシュメ)駅から徒歩すぐ。なのだけれど、人けが少なくて中心部から行こうと思うと少し遠いし、治安面が少し心配なのでなかなか近寄りがたいのが悩みだ。

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歴史ある建物が多いアクサライへ

コジャ・ムスタファ・パシャの丘周辺/イスタンブール・トルコ

アクサライは古い集落ということだけあって、建物全般歴史を感じるものが多い。アクサライ駅周辺には商店も多くて賑わいを見せている。ただし、路地裏を歩くときちょっと用心しておこう。ボーッとして歩かず、いかにも「ここに住んでいる」くらいの様子でサングラスをかけて歩くと、話しかけられたリするリスクも減ると思う。

 

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※この記事は、トルコのとりこ(2019/12/19)をリライトしたものです。

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