イズミルにあるモスクと教会とシナゴーグ

公開日 2021年10月17日 最終更新日 2021年10月18日

古代から、ここイズミルがあるエーゲ海地方は、ギリシャ文化が花咲いた地だった。宗教の境なく両方の文化を融合させたイズミルには、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の施設がたくさんあったらしいのだが、残念ながら、第一次世界大戦によってそのほとんどが失われてしまったそうだ。それでも市内には、見逃せないいくつかの宗教施設が残されている。美しいギリシャ正教会、イズミルっ子が誇るモスク、それに最近人気のシナゴーグもあわせて、イズミル観光のさいに訪れたいスポットをまとめてみた。

聖ポリカルプ教会

聖ポリカルプ教会/イズミル・トルコ

東方系教会では聖人とされる聖ポリカルプ(聖ポリュカルポス)のための教会(Saint Polycarpe Kilisesi)。聖ポリカルプとは?

聖ポリカルプについて

聖ポリカルプ/Wikipedia

ポリュカルポス(ギリシア語: Πολύκαρπος、69年頃 – 155年頃)は、2世紀のスミルナの主教(司教、監督)であった。彼は殉教者として死んだ。火刑にされたが、それでは死なず、刺し殺された。ポリュカルポスは、東方諸教会、正教会、ローマ・カトリック教会、聖公会、ルーテル教会で聖人である。日本正教会では中世以降のギリシア語と教会スラヴ語からポリカルプと転写される。
「彼は、ヨハネの弟子であった」と記録される。このヨハネは使徒ヨハネ、長老ヨハネ、福音記者ヨハネと同一視されている。
彼はローマのクレメンス、アンティオキアのイグナティオスと共に三人の使徒教父の一人である。彼の書いた「ピリピ教会への手紙」が残されている。

wikipediaより引用)

1625年、皇帝スレイマンの許可を得て教会の建設が始まったそうだ。東方系教会はいつどこで訪ねても豪華できらびやかだが、この教会でも、色鮮やかなキリストやマリアや使徒、天使たちの壁画に目を奪われる。特に、天井は一見の価値がある。

聖ポリカルプ教会/イズミル・トルコ

この美しい壁画は、聖ポリカルプの生涯が描かれているらしい。修復に修復を重ねて受け継がれてきた絵画を見ていると、私の心を澄んだ心に…信心や信仰心をもたらしてくれる気がする。

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ヒサル・ジャーミィ

ヒサルジャーミィ/イズミル・トルコ

ヒサル・ジャーミィ/イズミル・トルコ

ヒサロリュ(Hisarörü)地区にあるヒサル・ジャーミィ(Hisar Camii)は、イズミルで一番大きなモスクらしく、地元の人も観光客も訪れていた。もとはラテン教会で、セルジューク朝が侵攻してきた際に破壊され、今はモスクとして利用されている。モスクには、土産物屋が並ぶバザールが併設されているので、お買い物ついでに立ち寄ってみるのもいいかもしれない。

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ヤル・ジャーミィ/コナック・ジャーミィ

ヤル・ジャーミィ/イズミル

時計塔のあるコナック広場にひっそりと建っているのが、ヤル・ジャーミィ(Yalı(Konak)Camii)だ。小さなモスクなのだが、300年ほど前、1755年に建設された歴史的な建造であるらしい。オスマン建築様式で建てられているものなのだそう。このモスクがある広場はイズミル観光で必ず立ち寄る場所…で、とにかく鳩が多いので、頭上に注意を!!

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ベスイスラエル・シナゴーグ

ベスイスラエル・シナゴーグ/イズミル・トルコ

ベスイスラエル(Bet İsrael Sinagogu)とは、「イスラエルの家」という意味があるのだとか。市内に8つあるシナゴーグの中で一番保存状態が良いものなのだそう。1400年代にスペインやポルトガルから移住したユダヤ人によって建設されたらしい。世界で唯一ここイズミルにしかない中世スペイン建築様式のシナゴーグということで、世界中から注目を集めている。

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宗教が違えども受け入れるトルコ

時計塔/イズミル・トルコ

トルコ人にとって、心の支えとなるモスク。侵攻して教会をモスクに変えちゃったりしているけれど、同時に、キリスト教やユダヤ教といった他宗教についても深く受け入れているようだ。コーランの中にそういった教えがあるらしいが、詳しくは私はわからない。遺跡巡りの合間に、イズミル散策の合間に、こういった聖なる神域も取り入れて、違った文化に触れてみる、という旅のスタイルが私の定番なのだ。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2019/7/30)をリライトしたものです。

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