トルコのカッパドキアで感動体験!気球ツアー

公開日 2022年2月20日 最終更新日 2022年2月24日

世界遺産カッパドキアでは、地上の観光のみならず、空からその景色を眺められる気球ツアーが大人気。せっかく遠路はるばるカッパドキアまで来たのだから、がんばって早起きして参加してみたい。朝日に照らされたカッパドキアの奇岩群を、上空300メートルから見ることができる。「熱気球ツアーってどうなの?」を、まとめてみた。

カッパドキア気球ツアーとは?

気球ツアーの歴史

気球ツアー/カッパドキア・トルコ

気球は、日本では阿蘇などで体験できることで知られている。私の場合、初めて気球に搭乗したのは北海道のトマムだった。トルコ・カッパドキアの気球ツアーは、初めてトルコを旅した2001年にはすでに人気になっていて、日本からの団体ツアーでもオプショナル・ツアーとして用意されていた。

カラフルな熱気球/カッパドキア・トルコ

初めてカッパドキアで熱気球がとばされたのは、1989年。その翌年には、現存する会社のうちの一つであるカッパドキア・バルーンズ(Kapadokya Balloons)が設立されたらしい。

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

トルコ航空協会(THK)が力を入れ始めた1998年以降、2000年代にかけて、ギョレメ・バルーンズ、スルタン・バルーンズ、アナトリアン・バルーンズなどの会社が設立され、どんどん気球は増え続け、現在は、100社近くの会社があるみたい。夏のオンシーズンになると、カッパドキアの空は気球だらけになる。

安全?ガクブルな私を安心させた理由

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

やや高所恐怖症の私は、気球も飛行機も最初は心臓が震えてしまう…。それでも勇気を出して乗ってみれば、全く恐くなかった。ふわっとあがって、それ以降は段階的に高くなっていく。最初はバーナーの熱と騒音にドキドキだったけれど、上空まで行ってしまえば、時折バーナーの音がして、朝日に照らされながら、ほどよく気持ちの良い風に吹かれる、最高の時間。

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

でもたまに頭をよぎるのは、2013年の事件のこと。カッパドキアのオルタヒサル地区上空で、バルーン同士が衝突して3人の方が亡くなった。また、2018年にも高圧線に衝突して、確か1人の方が亡くなっている。

熱気球ツアー準備/カッパドキア・トルコ

2018年のほうは、パイロットと乗客が、荒天によるフライトキャンセルで着陸しようとして、もめている間に衝突してしまったもの。対して、2013年の事故は、パイロットのトレーニング不足であるとされている。この2013年の事故以来、パイロットの育成と資格とに力を入れ、トルコ民間航空局のパイロット資格が必須となり、事故がなくなっている。

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

すべてのパイロットは免許を取得していて、2,500~3,000時間以上の飛行経験があるらしい。気球は摩耗性の高い素材で作られていて、万が一、鳥がクチバシで突っついてしまうことがあったとしても、安全に飛行できるそうだ。

熱気球のバーナー/カッパドキア・トルコ

バーナーでガスを送って飛ぶ仕組みの熱気球には、予備のバーナーが2本あるから、安心。何より、パイロットは明るくて面白い人が多い。

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

気球ツアーは、トルコ航空協会の規定により、風速11kmを超えた場合や、大雨、荒天などの天候理由によりキャンセルすることがあるそうだ。毎朝天気が良いとは限らないカッパドキアだから、早めの日程で参加申込をしておいたほうがいいかも。「あと数日滞在するから、最終日のお楽しみにとっておこう♡」なんて考えていると乗れないことがある(私の悪い癖)。

価格が高い?値段設定の本当

熱気球ツアー恒例の乾杯/カッパドキア・トルコ

初めてトルコを旅した2001年頃、気球ツアー代約3万円は、当時20代の若者(旅しすぎ貧乏の私)には、相当高額だった。ホテルにお迎えにきてくれて、軽く朝ごはんもいただいて、60分フライトして、シャンパン飲んで、フライト証明書をもらって、ホテルに送ってっもらう。このスタンダードな気球ツアーの値段は、おおよそ10,000円~30,000円ほど。

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

これを安いとするか、高いとするかは、日本国内の気球体験と比較してみるべきで、長い時間のフライトでこんな上空まで飛ぶ気球体験は、値段がそう変わらないことがわかる。

冬の朝/熱気球ツアー・カッパドキア・トルコ

当然ながら、オフシーズン(冬)とオンシーズンでは値段が倍近く違う。混んでいる日は高く、空いている日は安い。一般的なツアーの料金設定は、主に4種類の料金設定になっている。

①12〜30人乗りのバスケットに相乗りで、45〜60分間の飛行
②12〜30人乗りのバスケットに貸切で、60〜90分間の飛行

①なら10,000円〜15,000円くらい、②なら30,000円くらいだ。

熱気球乗らずに写真撮影もいい/カッパドキア・トルコ

トルコでは、他にもパムッカレなどでも気球に乗れるけれど、カッパドキアの方が雄大で奇異な大地を空から眺められるので、おすすめだったりする。

熱気球ツアー催行会社は約100社

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

カッパドキアで気球を飛ばす会社は、おおよそ100社あるらしい。正直、「ここがオススメ」という会社がない。ホテルや旅行会社を通してツアーを申し込むのだが、「どこの熱気球ツアー会社がいいの?」なんて聞いたりはしないだろう。どの会社に申し込んでも、パイロットは必ず訓練を受けて資格を保有しているので、安全なフライトが楽しめる。

熱気球のバーナー/カッパドキア・トルコ

ただし、風にのって「どう飛ぶか」は、パイロットの判断。パイロットが「よかれ」と思って高く飛んでも、乗客が「今はもっと低くていいのに…」と思うこともあるだろう。地上ギリギリにはギリギリの、高いところからは高いところからの、素晴らしい景色が楽しめる。

早朝フライトの理由とおすすめのシーズン

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

熱気球の朝は早い。すっぴんに帽子とサングラスで行くにしても、4:00-5:00には起床しなければならない。熱気球が早朝から行われるのは、熱気球が「風まかせ」に飛行し、「バーナーと外気の温度差」で飛行するものだから、大気が安定している朝が最適なのだとか。それに、朝日に照らされたカッパドキアはとても美しい。…寒いけど…(一言余計)。

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

そして、その風や気候がもっとも安定しているのは、春(4~5月)と秋(9~11月)だとされている。

ウエディング・フォトの聖地

ウエディング・フォト・イメージ/カッパドキア・トルコ

日本人で撮影している人は見かけたことがないけれど(たぶん)、海外の方なのか、地元の方なのか、ウエディング・フォトを撮影しているのをよく見かける。ハワイのマウナケアでウエディング・フォト撮るのに憧れていたけれど、カッパドキアで撮るのもいいかもしれない。

ツアーの流れ

お迎えに来てくれる

洞窟ホテルの一例/カッパドキア・トルコ

まだ真っ暗なうちから準備して集合場所へ行く。前日の夜に電話が来て、明日の集合時間と場所を打ち合わせしてある。ケータイ、上着、お水、そしてカメラ、パスポートも必ず持っていく、と。バックに詰め込んだら待ち合わせ場所へ行く。私が宿泊していたホテルは、道路が狭いのでお迎えのバスが入れないということで、丘の下まで歩いて行くことになった。まだ暗いから気を付けていこう。

 

お迎えはミニバン。お迎えは、ドライバーさんが一人。軽く挨拶して、車へ乗り込む。5月だというのに、外は本当に冷え込む。厚手のパーカーでもちょっと寒い。ヒートテックを中に着てみた。バスは、他のホテルへまわって、私を含めて合計4人乗り込んだところで、集合場所へと向かう。日本人らしき一人旅の人に話しかけられた。東京で料理人をされている方らしい。バズーカみたいなカメラ持って、「今日は天気が良いらしいので楽しみですね」と話している。

朝ごはんを軽く食べよう

熱気球ツアーの朝/カッパドキア・トルコ

建物の中に案内される。気球ツアー会社のオフィスっぽい。テーブルの上には、パンや野菜、チャイ、お水が置いてある。無料の朝食だ。「水分は控えめにしたほうがいいよ」「出発前にトイレはすませておいてね」と案内される。

気球ツアー/カッパドキア・トルコ

チャイだけ飲んで声を掛けられるのを待っていると、20分くらいで再び外へ誘導され、またバスに乗車した。どうやら、このバスに乗って、気球のもとへ移動するらしい。外はまだまだ真っ暗で、寒い。そして、ドキドキ。こういうのがいいんだよね、旅行は( ꈍᴗꈍ)。

気球が膨らむところを見学

気球ツアー/カッパドキア・トルコ

バスを降りたら、そこには他にもたくさんの気球があった。こんなにたくさんの人が参加するのか、と驚きながらも、あちらこちらで轟音をたてて気球に光が入り、本当にきれい。早いところだと、もう空に上がっている気球もあったりする。

膨らむ熱気球/カッパドキア・トルコ

おおむね、15~20分くらいだと思う。ゴォーッとすごい音をたてて膨らむ熱気球を目の前で見ていた。寒いけれど、すっかり興奮して、あっという間に時間が過ぎた。

いよいよ搭乗

もっと小さいバスケットも/熱気球ツアー・カッパドキア・トルコ

いよいよ気球へ乗り込む。このバスケットをまたぐのを躊躇してはいけない。がばっとまたいで、いざ出発!ふわっと浮いたら、あっという間に高いところまで来ている。パイロットは英語がペラペラで(トルコ語なまりだけど)、「あれがローズバレーだよ」とか案内もしてくれる。

バルーンのバーナー/カッパドキア・トルコ

上空はすごく静かで、定期的な、バーナーのゴォーッという音と熱とが耳や肌に心地よく触れる。そのせいか、思ったより寒さを感じなかった。

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

かるい高所恐怖症の私でも、もう感動しかない感じ。いいなぁ、地球は。何千年も前に、地球が造った素晴らしい景色は、日本から遠いところに来てるという嬉しさや寂しさやなんだかよくわからない感情を感じさせてくれる。「カッパドキアはスターウォーズの世界」なんてよく聞くけれど、本当に異世界。

こんな写真が人気みたい/熱気球ツアー・カッパドキア・トルコ

めったにできない体験だから、写真や動画をたくさん撮って帰ろう!

ランディングも興奮

着陸後のバスケット/カッパドキア・トルコ

本当にあっという間の60分を終えて、着陸。何がびっくりって、トラックの上にふんわりと着陸するのには驚いた。思ったほど衝撃がなくて、ふわっと。パイロットさんは意外に若かったけど、やる。

乾杯!そして証明書ゲット!

乾杯ドリンクは会社ごとにいろいろ/カッパドキア・トルコ

「シャンパンかと思ったら、これって、シャンメリーじゃない?」と、隣の人に聞いたら、「シャンメリーって何?」って聞き返された。ジェネレーションギャップ(笑)。搭乗証明書もいただいて、興奮冷めやらないけど、ひとまずホテルへ帰りましょう。

ホテル到着

洞窟ホテルの一例/カッパドキア・トルコ

時刻はまだ9時前。ひと眠りする人や、シャワーで暖まる人、朝ごはんの食べ直しをする人などなど。次のオプショナル・ツアーに参加する人もいた。とにかく興奮が冷めやらなない一日が始まったのだ。

追記

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

翌日。ネヴシェヒルの空は、こんな風に熱気球に彩られていた。

大地を間近に感じよう

熱気球ツアー/カッパドキア・トルコ

日本は、緑と海のエネルギーに包まれているけど、カッパドキアのむき出しの大地のエネルギーは、空の静けさに包まれたとき、一番感じやすかった。見慣れない赤茶色に染まる大地を空から見たら、来てよかった〜♡と思うはず。カッパドキア旅でマストな経験だ。

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