トルコ東部・エルジンジャンにあるキャニオンと観光スポットとは?

公開日 2021年11月7日 最終更新日 2021年11月7日

首都アンカラから東へ車で8時間。雄大な山々に囲まれたエルジンジャン(Erzincan)の町は、冬はスキーで賑わう町。商用登録されたブドウがあったり、グランドキャニオンに次ぐ規模の渓谷があったりと、「スキー場しかない」なんていう私の偏見は崩れ、なかなか侮れないエリアだった。イースタン・エクスプレスで駆け抜ける絶景の渓谷は、インスタでも話題になっている。そんなエルジンジャン県の観光スポットをまとめていってみよう。

エルジンジャンについて

エルジンジャンがあるのはココ

東アナトリア地図

エルジンジャン、エラズー、エルズルムの「エから始まる3つの町」は、高い山々に囲まれたスキーが有名な町といったところ。文明を生んだユーフラテス川も雄大な流れをみせる地域だ。それはつまり、豊かな自然に囲まれた名所がたくさんあるということで、夏はトレッキングやキャンプなどを楽しめ、カヤックなどのアクティビティを家族で遊べるエリアでもあるのだ。

断層の真上に位置する町

時計塔/エルジンジャン・トルコ

1939年の大地震では約3万人が亡くなり、記憶に新しい1992年の地震では約600人が亡くなったエルジンジャン大地震。建物が多数倒壊している映像が日本でも流されていた。エルジンジャンから黒海沿岸を通り、マルマラ海あたりまでとおっている北アナトリア断層の上にある町なので、これからの地震では被害が出ないことを祈りたい…。1939年の地震で倒壊してしまった時計塔は建て直され、今もエルジンジャン中心部にある。

渓谷美を楽しめる2つの地区

ケマリィエ地区/エルジンジャン・トルコ

エルジジャン観光として人気があるのは、ユーフラテス川沿いの渓谷だろう。ケマリエ地区(kemaliye)では、ケマリエ・カランルック・キャニオン(Kemaliye(Eğin) Karanlık Kanyon)とケマリエの家並み(Kemaliye Evleri)がハイライト。一方で、アンカラから東へと向かう寝台列車、イースタン・エクスプレスで通るユーフラテス川の美しさが話題のイリチ(iliç)地区もインスタグラムなどのSNSで話題になっている。

ケマリエ地区/エルジンジャン・トルコ

ケマリエ・キャニオンの深さは500~600m。カランルックとは、暗い・ダークという意味があり、両側にそびえる黒い岩肌、高い岩山に囲まれるダークさから名付けられたようだ。この渓谷の間を流れる川はあのユーフラテス川。カヌーの名所としても知られていて、カヌー専門誌でも取り上げられ、世界各国から愛好家が訪れる場所になっている。

ケマリエ地区/エルジンジャン・トルコ

渓谷で有名なケマリエ地区だが、古い家並みも残されていて観光客に人気のスポットになっている。渓谷の両側の急斜面に家々が並んでいて、この傾斜をうまく利用して建てられているのだけれど、どうやって建てたんだか、と驚く。どの家も、おおむね3~4階建ての住居になっている。居住空間は2~3階部分で、最上階では農作物を干したりしていたそう。今も人が住んでいて、年配のアンネ(お母さん)たちが急斜面を休み休み登っていく姿を見かける。

ユーフラテス川沿いを列車で通る旅、最高。

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“ブドウ地区”のジミン・ブドウ

エルズィンジャン産のブドウは、ジミン・ブドウ(Cimin Üzümü)とよばれ、商標登録されている。ジミンとはクルド語でブドウの意味があるらしい。少し大きめのサイズなので巨峰のような感じで、粒が大きく、一房が重量級。甘味がなく酸味が強い品種のため、お菓子作りや干しブドウに向いているそうだ。このブドウがとれる地区の名前はトルコ語で「ぶどう町」という。ちなみに関係ないけど、空港の隣には「ヨーグルト地区」という名前がある。

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名水地・エルジンジャン

エキシス遊歩道

エルズィンジャンは市販のミネラルウォーターの採水地としても知られている。一般の人でも採水ができる場所の一つが、ここエキシス遊歩道(Ekşisu Mesire Alanı)だ。ピクニックができる公園のようになっていて、園内にある湧水場所からペットボトルへ水をくむことができる。この天然水はミネラルをたっぷり含んでいて、貧血や、肝臓・胃腸・胆道疾患の治療に良いとされている。

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ギルレヴィッキ滝

ギルレヴィッキ滝/エルジンジャン・トルコ

2段で岩肌を流れ落ちる様が美しいギルレヴィッキ滝(Girlevik Şelalesi)は、訪れるなら夏がおすすめだ。滝を見ながらランチをとることができる。夏でも涼しく、マイナスイオンをたっぷり浴びながら、名物マス料理や、チキン料理をいただくことができる。冬はマイナス30度以上にもなる極寒なのでなかなか行けないけれど、凍結した巨大なツララを見ることができるようだ。エルズィンジャン市内からミニバスで30分で到着する。詳しくは、公式サイトを要チェック。

ギルレヴィッキ滝公式サイト

girlevik.com

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ママハトゥン複合施設

ママハトゥン複合施設/エルジンジャン・トルコ

エルズィジャンから車で1時間ほど東に進んだ場所にあるテルジャン町にある歴史的に貴重なママハトゥン複合施設(Mamahatun Külliyesi)がある。1071~1202年頃、この地方を支配していたサルトゥク家の娘、ママハトゥンによって建てられたお墓、隊商宿、ハマムとモスクだ。

ママハトゥン複合施設/エルジンジャン・トルコ

特にお墓(キュンベット)は、花のような形をしていて珍しい建築様式。現在修復中らしい。この形のキュンベットはとても珍しく、トルコのアナトリア半島では唯一ここだけで見られる建築様式とされる。

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冬はスキーの名所

エルガンスキー場/エルジンジャン・トルコ

エルジンジャンが最もにぎわうのは、冬。エルガン山スキー場は、トルコで指折りのスキー場。多くのスキー客が国内外からパウダースノーを楽しみにやってくる。エルジンジャン中心部からミニバスに乗って約20分ほどで到着するアクセスの良さもまた、人気の理由の一つだろう。

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アクセス

エルジンジャン/トルコ

エルズィンジャンへは、国内線・TCDD(トルコ国鉄)・バスで行くことができる。
鉄道(TCDD)は、アンカラから乗り入れているが、本数が限られている。東部アナトリアまでバスで来るのは少し大変なので、フライトが便利だろう。

エルジンジャン・ユルドゥルム・アクブルト空港(ERZİNCAN YILDIRIM AKBULUT HAVALİMANI)公式サイト

www.dhmi.gov.tr

トルコ国鉄TCDD公式サイト

ebilet.tcddtasimacilik.gov.tr

エルジンジャン・バスターミナル

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最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2020/2/26)をリライトしたものです。

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