
オリーブオイル発祥の地!トルコ産オリーブとオリーブオイル博物館
公開日 2021年9月28日 最終更新日 2021年10月9日
トルコのオリーブとオリーブオイルは、他の国と味が違う。語れるほどグルメではないのだが、確実にコクというか香りというかが違い、そしてまろやかなのだ。そのオリーブオイルの発祥の地と聞くと、スペインやイタリアを想像してしまうが、意外なことに現トルコの南西部が発祥の地とされているのだ。この辺りには、昔ながらの伝統的な搾油方法が見学できるオリーブオイル博物館がある。
トルコで一番大事な農業・オリーブ

トルコ産オリーブ
トルコの朝ごはんには絶対に欠かせないオリーブは、味も種類も豊富。スーパーや市場には山となったオリーブが何種類もズラリ並んで、どれがどんな味かな、と首を傾げてしまう。旅をしていても、ホテルの朝食や夕食の前菜などに必ず提供される。世界のオリーブ生産量はスペインやイタリアなどの南ヨーロッパが世界市場のシェアを占めているようだが、その中で地中海やエーゲ海を有するトルコは健闘していて、2018年時点では生産量は5位のようだ。

トルコ南西部に広がるオリーブ畑
1920年代、トルコ建国の父だるアタテュルクが、南トルコの村Yalova(ヤロヴァ)を視察した際、この地域でオリーブを農業として力を入れていくことが決まったのだとか。その後、栽培についての罰則規定がある法律まででき、現在も、オリーブについて研究を進める公的機関などがある。

NGO団体が再現したノアの箱舟
オリーブは、平和とワンワールドの象徴でもある。東トルコの端にあるアララト山に漂着したノアの方舟に由来するものだ。洪水がおさまって、鳩が持ってきたのはオリーブの枝葉であった。鳩は平和の象徴、オリーブは調和の象徴というわけである。
トルコ「サバフ紙」が伝える効能とは?

オリーブ/トルコのバザールにて
トルコでは、毎朝10粒を目安にオリーブを食べると良いとされているらしい。それ以上食べるとお腹がユルくなったり、太ったりして体に悪いというわけだ。オリーブオイルの効能としては、下記のようなものがあると、トルコの新聞・Sabah紙は伝えている。
オリーブのメリット
オリーブは血中の余分なコレステロールを取り除きます。
オリーブは血圧をコントロールします。
オリーブは食物繊維の供給源です。
オリーブはビタミンEの優れた供給源です。
オリーブは細胞を抗酸化物質として保護します。
オリーブは重症度の低い静脈瘤や空洞を含む、アルツハイマー病、良性および悪性腫瘍などの変性疾患の影響を軽減します。
オリーブは心筋梗塞や深部静脈血栓症(DVT)を引き起こす可能性がある血栓を防ぐのに役立ちます。
オリーブはがんなどの病気から細胞膜を保護します。
オリーブは貧血に対する優れた保護です。
オリーブは生殖能力と生殖システムを改善します。
オリーブは特に酸化ストレスや慢性ウイルス性疾患の際に、健康な免疫システムを維持する上で重要な役割を果たします。
オリーブは栄養価が高く、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、リン、ヨウ素などのミネラル含有量が豊富です。
オリーブは必須のビタミンとアミノ酸を提供します。
オリーブにはオレイン酸が含まれており、心臓を保護するために有益な特性を持っています。
オリーブには、脳の酸化ストレスを軽減する天然の化学物質であるポリフェノールが含まれています。したがって、オリーブの毎日の部分を食べることによって、それはあなたの記憶を25%まで改善するのに役立ちます。
ブラックオリーブにはオレイン酸が含まれているため、肌を柔らかく健康に保つため、しわの発生を20%減らすことができます。
試食してみよう

オリーブ/トルコのバザールにて
スーパーでも瓶詰のオリーブオイルが販売されているが、チーズやオリーブについては売り子さんがいて、試食をしながら購入することができることが多い気がする。ハードルが高くなるが、スパイスバザールのような市場へ赴いて、オリーブが山積みになったお店で店員さんとあれこれお話するのも楽しい。「これはナントカ村のオリーブだよ」などとお兄さんが眉をあげてどや顔で(私にはそう見える)話しながら、スコップに載せたオリーブを差し出してくる。たっぷり購入しても、日本で購入するより安い。
オリーブオイル博物館
エーゲ海のリゾート地、Çeşme(チェシュメ)からほど近い場所には、オリーブオイルの博物館・Köstem Zeytinyağı Müzesi(キョステム・オリーブオイル博物館)がある。南ヨーロッパなどにも、オリーブオイル博物館はあるが、このオリーブオイル博物館は、世界最大規模であることがウリだ。驚くことに、ゲストハウスまである。宿泊をしながら、この地域で受け継がれてきた伝統的なオリーブの圧搾方法などを見学することができる。ミュージアムには、ショップやカフェも併設されていて、チェシュメのリゾート滞在中の観光とお土産調達に便利だ。

オリーブの木
オリーブの実やオリーブオイルの生産量や輸出量は、南ヨーロッパ各国にはかなわないが、加工された「テーブルオリーブ」の生産量は、スペインに次いで世界第二位を誇るのだそうだ。
自然が好きな方にはおすすめな南トルコへ

オリーブ畑を抜ける道/トルコ南西部
エーゲ海・地中海地方を車で走っていると、どこまでも続くオリーブ畑を見ることができる。他にも、葡萄畑、ガムの木、羊や牛など、この地方がいかに農産・畜産に恵まれて豊かであるかを、とても実感できる。滞在の合間にドライブしてみるのも楽しい。
オリーブオイル博物館公式動画
オリーブオイル博物館公式ホームページ
日本で購入する
トルコ産のオリーブオイルは、日本のトルコ食品を販売するお店でも購入可能。カルディやジュピターなどの輸入食材を扱うお店では未だ見たことがない。トマトジュースやパスタといった食材なら扱っているようだった。購入するなら、ネットで買うしかないようだ。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
※この記事は、トルコのとりこ(2019/8/8)をリライトしたものです。