イスタンブール世界遺産!鉄壁を誇るテオドシウスの城壁を見に行った

公開日 2021年10月22日 最終更新日 2021年10月22日

ビザンチン帝国時代、コンスタンティノープルの旧市街地をぐるっと囲んでいたテオドシウスの城壁(Theodosius surları)は、イスタンブールの城壁・コンスタンティノープルの城壁ともよばれ、今もイスタンブールのあちらこちらに見ることができる。ただの壁でしょ?と思ってなめていたけれど、いざ近くで見たらびっくりな壁。陥落不能と称され、オスマン帝国皇帝がやっとの思いで落としたコンスタンティノープルを守り抜いたものすごい壁、わざわざ見に行ってみた。

絶対に落とせない城壁はどんな壁?

テオドシウスの壁/イスタンブール・トルコ

テオドシウスの城壁は、イスタンブール城壁ともよばれるそうで、修復作業をしているように見受けられ、どんどんきれいに整ってきている。イスタンブールの中でも、旧市街と呼ばれる地区をぐるり取り囲んでいた城壁は、最盛期で全長23kmもあったそうだ。

テオドシウスの壁/イスタンブール・トルコ

東ローマ帝国よりも前、メガラ人が居住していた頃にはすでに壁が建設されていたらしく、それはトプカプ宮殿をも取り囲めないほどの短さだったらしい。その後、東ローマ帝国になってから増強され、「絶対に落とせない城壁」を誇るまでになった。東西ローマ帝国を統一した最初で最後の皇帝:テオドシウスが、この城壁の大部分を増強・建築したために、「テオドシウスの城壁」とよばれるようになたようだ。オスマン帝国の征服王メフメト二世コンスタンティノープルを陥落させたのだが、実はこの壁を落とせたわけではなかった。たまたま衛兵が門の施錠を忘れたために落城できたのだとか。結局この城壁は、誰にも落とせない壁という面目を最後まで守り通した、というわけだ。

鉄壁だった理由とは?

テオドシウスの壁/Wikipedia

上写真のギザギザが城壁だ。宮殿がある■が小さく見えるほど巨大な壁は、市街地をすべて囲んでいた。この壁の中には、城や重要施設があっただけでなく、ローマ帝国を倣った7つの丘もあったりして、まさに小さなローマがここに存在していたのだ。全長23kmの城壁のうち、金角湾(ハリチ)側6km、南北に貫く陸部は8km、マルマラ海側は9kmほど。23kmすべて同じ構造で造られてはおらず、場所によってまちまちのようで、よく攻撃された場所は二重の構造になっているらしい。

テオドシウスの壁の構造/Wikipedia

kale hendeği お堀
alçak sur 低い壁
dış sur 外壁
iç sur 内壁
paratechion 歩道
peribolos 宮殿の壁

その構造は、前面(外側)に低めの壁、内側に高い壁がそびえていて、その間には、深くて広い溝が設けられている。注目すべきは、その規模。
低い方の外壁で、高さ8.5m・厚さ2mもあり、
宮殿に近い内壁は、高さ14m・厚さ5mもあった。
塔は60mごとに設けられ、堀は幅20m・深さ8mもあったらしい。

壁を見に行く

訪れるべき場所

エディルネカプのテオドシウスの壁/イスタンブール・トルコ

一番行きやすい場所は、カーリエ博物館に行くついでに見ることができるエディルネカプの壁だろう。エディルネカプの駅を降りてすぐが大通りになっていて、ここからでも壁を見ることができるが、カーリエ博物館に歩いて行った側からの方がうまく写真におさめることができる。今は修復されていて綺麗に整っているのを見ることができる。

ベオグラード門/イスタンブール・トルコ

個人的に一番状態が良いと感じるのは、ベオグラード門(Belgrad Kapı)。修復が進んで他の門も徐々に威厳を取り戻しつつある。スィリヴリ門(Silivrikapı)、スルクレ門(Sulukule Kapısı)、エディルネ門(Edirnekapı) 、トプカプ門(Topkapı Surları)は、当時の雰囲気が楽しめる。

テオドシウスの壁/イスタンブール・トルコ

当然といえば当然だが、あの深くて広い堀は畑として利用されていた。また、マルマラ海側にも壁は複数個所で見ることができるのだが、人通りが少なくて治安が良いとは言えない場所の為、避けた方が無難らしい。

エディルネカプのテオドシウスの壁

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ビッグバス・イスタンブールに乗ろう!

ビッグバス・イスタンブール

点在する城壁車窓から一気に見る方法があった。定番のホップオン・オフバスだ。イスタンブールでは、ビッグバス・イスタンブールという名で運行しているようだ。東京でははとバスに乗るのが定番、ロシアでもイギリスでもホップオン・ホップオフバスは本当にありがたい。できれば、カッパドキアでも運行してもらえないだろうか…。

テオドシウスの壁/イスタンブール・トルコ

新市街を中心にまわるレッドルートと、旧市街・ハリチ湾とその周辺をまわるブルールートがある(2019年8月現在)。私はブルールートしか乗車したことはないが、テオドシウスの壁のほか、中心地から少し離れているピエール・ロティの丘やモスクも見ることができる。録音された音声ガイダンスで解説されますのだが、残念ながら日本語非対応なので頑張って英語で聴く。

ミニアテュルク/イスタンブール・トルコ

このバスのルートとバス停を参考に立ち寄りスポットを決めるのが楽しい。一日乗車券は50ドルほど。少し値が張るけれど、ミニアテュルク入場付き。ミニアテュルクは遺跡の神殿なんかも復元されたりして、見応えがある。チケットは、インターネットで事前購入できるが、当日、スルタンアフメット広場に停車しているバス前にいる係員からも購入できる。

アクセス

テオドシウスの壁/イスタンブール・トルコ

壁があるのは、街はずれであったため、今もひっそりとした静かなエリアにある上、海沿いはひと気がないので少々治安が悪いエリアだし、少し遠い場所だしで、個人旅では気軽に行くことはやめたほうがいい。気軽にホップオン・ホップオフ・バスを利用するのが便利でおすすめだ。

スルタンアフメット広場/イスタンブール・トルコ

ビッグバス・イスタンブールは、スルタン・アフメット広場から出発している。詳しくは公式サイトを要チェック!

ビッグ・バス・イスタンブール公式サイト

www.bigbustours.com

 

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2019/11/14)をリライトしたものです。

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