オスマン帝国400年の歴史!イスタンブール・トプカプ宮殿とハレム

公開日 2021年11月8日 最終更新日 2021年11月8日

ハレム

ハレムのとは、「禁止」「保護」のような意味のアラビア語に由来しているのだとか。トプカプ宮殿のハレムは、16世紀~19世紀にかけての長いスパンで建築・増築された建物であるため、トルコの建築史において重要な建物とされている。ハレムはもともと、ベヤズィット地区の旧宮殿に有ったが、皇帝スレイマンの愛妻ヒュッレムの懇願により、現在の新宮殿に増築された。ハレムには、300以上の部屋、9つのハマム、2つのモスク、病院、病棟、ランドリーがある。

ハレム入口/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

ハレムの入口は、第二の中庭左側にある。もともとは、女たちが車で出入りするためのエントランスだったらしい。
※ハレム入場には、別途入場料が必要です。チケット購入の際はご注意ください。

ジュムル門(スルタンの門)

ジュムル門(スルタンの門)/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

この門は、ハレムの3つのエリアをつなぐ大切な門であった。左側は女性たちの部屋へと続く道、中央は母后の部屋へと続く道、そして右側は、皇帝の部屋へ続く黄金の道。女性たちが皇帝に召され、うまく寵愛をいただくことができれば、一気に出世することができるため「黄金の道」と名付けられた。黒人宦官とズリュフリュ警備隊にとって、ここは女性たちを守る警備の要所だった。

母后の部屋(ヴァリデ・スルタンのアパートメント)

黒人宦官の石などを見ながら廊下を歩き、まず最初に辿り着くのが、母后の部屋だ。

ヴァリデ・スルタンの部屋/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

皇帝の母となった女性は絶大な権力を持つこととなる。妾→側室→母后(ヴァリデ・スルタン)と出世してうまくいけば女性のトップにのし上がることができた。この母后の部屋は、ムラド三世が母ヌールバヌのために建てさせ、後に二階部分が増築されたもの。そう、あのヌールバヌの息子があの人に…、とドラマを見ている人は思うだろう。

ヴァリデ・スルタンの部屋/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

皇帝の部屋と造りが似ていることからも、皇帝の母への敬愛が伝わるとされている。母后の部屋は2回建てで、寝室・礼拝室・ハマム・トイレ・リビングルームが併設されていて、ここから出ることなく暮らすことができた。部屋というよりは、アパートメントと呼んだほうが良い広さと規模だ。

皇帝の間

皇帝の間/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

ムラド三世の部屋とハマムの間にあるこの皇帝の間は、昔からハレムで一番有名なフォトスポットになっている。修復作業を終えて当時の輝きを取り戻し、さらに煌びやかな空間になった。1580年~1590年の間に建てられたとされ、ハレム内での式典や祭典、ハレムの女性間でのお茶会などの催しものやレセプションに利用されていたようだ。マンガやドラマにもたびたび登場する。

ムラド三世の部屋

ムラド三世の部屋/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

1579年に、ムラド三世が建築士ミマール・シナンに命じて造らせた部屋で、ムラド三世はこの部屋を執務室として利用していたようだ。アフメド一世の時につくられた出窓や噴水がある。

皇子の部屋

皇子の部屋/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

18世紀初頭頃から、皇子の住まいとして利用されてきた建物は、2つの部屋で構成されている。17世紀に造られたイズニック・タイルで装飾された壁、木製のドームを彩る金装飾が見所。また、17世紀に宮殿で流行した窓の噴水は、空間に心地よい水の音を出すために建てられたそうだ。

アフメット一世の部屋

アフメット一世の部屋/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

1608年に、皇帝アフメド一世によって建てられた部屋。鮮やかな緑と青のタイルで装飾された壁が美しい部屋になっている。

アフメット三世の部屋

アフメット三世の部屋/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

アフメット三世によって18世紀頃につくられた部屋は、別名フルーツバスケットとよばれる。食堂とされるこの部屋には、自然主義ともとれる多くの花々やフルーツが描かれている。ちょうど、アフメット三世の時代は「チューリップ時代」といわれ、チューリップを描く芸術作品がトルコで流行したことから、後世につけられた名前だ。皇帝の間とアフメット一世の部屋から入ることができる。

中庭

ハレムの中庭/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

ハレムには、いくつかの中庭があるのだけれど、「母后のための中庭」などの中庭に比べて、このギョズデ・アパートメントの前にあるこの中庭は、広くてオープンな空間であることで知られている。

ギョズデ・アパートメント前の中庭/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

オープンな空間ではあるけれど、外から女性を守るという観点からなのか、景色はよくない。守られたハレムという空間の中で唯一ここだけが、広いオープンな空間を持っている。

側室女性たちのマンション

側室女性たちのマンション/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

イスラム教では、4人まで妻を持って良いとされていて、皇子を産んだ順に第一妃~第四妃まで計4人の妻(側室)持つことができた。このアパートの上階は側室たちの居室で、その下階には、側室に仕える女性が住んでいた部屋だった。ドアの前に置かれている石の台に食事のトレイをおいていたらしい。

ハマム

ハレムのハマム/トプカプ宮殿・イスタンブール・トルコ

皇帝用のハマムと、母后用のハマムがあり、母后用のハマムは皇帝のそれよりも小さいものだった。実際は、女性たちが身分に関係なく利用していたそうだ。皇帝の間からもこのハマムへつながっている。16世紀頃建てられたとされ、温め・熱め・コールド(どう訳したらいいのか…)と3つの温度設定が可能だった。また、ハマムを温めていた床暖房の仕組みは、皇帝の間へ続いている。

予備知識があればもっと楽しめる宮殿!

トプカプ宮殿の夜景

冒頭でもご紹介した、塩野七生さん著『コンスタンティノープルの陥落』『ロードス島攻防記』、夢枕獏さん著『シナン』、篠原千絵さん著『夢の雫、黄金の鳥籠』、トルコドラマ『オスマントルコ帝国外伝~愛と欲望のハレム~』を見てからトプカプ宮殿に行くとより一層、「これがあの!」という感動でいっぱいになり、あっという間に半日以上経過している。ところどころにあるベンチや、コンヤリ・カフェで休憩するなどしながら、ゆっくりオスマン帝国の世界に浸ってみると楽しいトルコ旅行になるだろう。

トプカプ宮殿公式サイト

トプカプ宮殿公式サイト

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◆訪れる際注意したいこと◆

トプカプ宮殿/イスタンブール・トルコ

  1. 広いエリアであることと、聖遺物は肌露出NGであることから、服装選びにご注意ください。
  2. 個人旅行の場合は、送迎の門右側にあるブースで、音声ガイド(日本語有)をレンタルできます。20~30TLほど。デポジットは不要ですが、パスポートやIDカードを預ける必要があります。
  3. ほとんどの展示品は撮影不可です。撮影可能でもフラッシュはほぼ禁止されています。
  4. バイラム(祝祭日)や、貸切になっている場合はクローズされています。詳しくは、トプカプ宮殿のビジター情報をご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

※この記事は、トルコのとりこ(2019/9/1)をリライトしたものです。

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