
聖書の世界を旅する・アララト山とノアの箱舟自然公園
公開日 2021年7月22日 最終更新日 2021年9月23日
トルコのアナトリア半島の東側、アルメニアとの国境付近には、神聖な山・アララト山がある。アララトは、アルメニア・イラン・トルコと3つの国にまたがっている火山だ。あのノアの箱舟が漂流したとされる山として、世界的に有名だ。だが、この山からは箱舟は見つかっていない。一部の研究者によって見つけられたのが、ノアの箱舟国立公園だ。
アララト山(Ağrı Dağı)

アララト山/アール
誰もが知る有名な山、アララト山。ノアの方舟がたどり着いたとされる山だ。トルコ、アルメニア、イランの3つの国にまたがる山は、見る位置によってその姿を変える。標高5137mで、トルコ最高峰を誇る。アララト山の隣には、小さなアララット山(Küçük Ağrı)があり、2つの連山が美しい稜線を描いている。

アルメニア側からみたアララト山
こちらは、アルメニア側から見た、アララト山と小アララト山の写真。小アララト山はもはや完全に富士山にそっくりである。小アララト山の標高は、富士山より100mほど高く、3896mある。

アララト山登山
万年雪を戴くアララト山は登山客にも人気。地元の旅行会社で登山ツアーに申し込めば登山できる。登らなくても、ハイキングを軽く楽しめるツアーもある。
ノアの箱舟(NUh’un Gemisi)

ノアの箱舟とされる/ノアの箱舟自然公園
ノアの箱舟が漂流したのはアララト山だとされるが、アララト山からは、いまだに船の残骸が一つも見つかっていない。一部の研究者たちが目を付けたのが、アララト山のあるドウバヤズット郊外にある村だった。その名も、「ノアの箱舟村」。明らかに船の形をした遺跡が残されていた。村人らの証言によれば、ここが公になる前、夜間に光っていたこともあるのだとか。トルコ政府がこの村をノアの箱舟が漂流した場所であると認定するまで、不思議な現象が続いていたという。

拡大すると確かにそう見える/ノアの箱舟自然公園
研究者たちの研究と、使われていた材料などによって、正式にトルコ政府が野外博物館&保護区とするも、他国はこれを認めていないようだ。各国ではいまだアララト山がノアの箱舟が漂流した聖なる山であるとしているのだ。

NGO団体が再現したノアの箱舟
NGO団体が造った箱舟がお目見え。この箱舟を造った団体は、環境保護団体で、二度と地球の緑を破壊しないように、との思いだったのだそう。
ドウバヤズット観光とノアが食べていたプディングも

アシュレ
アララト山とノアの箱舟を訪れるなら、ドウバヤズット市もあわせてまわっておきたい。
トルコには、ノアの箱舟で食べたというプディング・アシュレというスイーツがある。箱舟の中にあったドライフルーツやナッツなどをまぜて作ったプディングだ。トルコ各地で食べられているので、ぜひ味見を。
アクセス

ドウバヤズット
拠点となる街は、ドウバヤズットだ。ドウバヤズットからはツアー参加が一般的。
ドウバヤズットへは、近隣の町アール(Ağrı)空港からバスでアクセスするのが最短。バス旅行が希望なら、イスタンブールやアンカラ等の主要としから長距離バスもある。ただしかなり遠い上、国内線フライトが安いので、フライト移動をおすすめする。イスタンブールのサビハ・ギョクチェン空港と、イスタンブール空港から、ターキッシュエアラインズが一日複数便飛んでいる。
アール国際空港
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※この記事は、トルコのとりこ(2020/5/20)をリライトしたものです。