
バス大国トルコ!長距離バス(高速バス)会社と選び方
公開日 2021年8月6日 最終更新日 2022年3月2日
鉄道の発達が遅かったトルコでは、バスが広いアナトリアの大地を縦横無尽に走っている。空港のような大型バスターミナルは、トルコではずいぶん前から利用されてきた。今も昔も、トルコ国民とツーリストが便利でお得に使えるため、バス会社は数百にも及ぶ。私個人的に、一人旅で大いに利用させていただいている、利用頻度の高い大手バス会社を中心に、長距離バスについてまとめてみた。
長距離バス(高速バス)会社について
大手バス会社とエリア・町のバス会社

アンカラのオトガル/トルコ
長距離バス会社は、トルコ全土にバスを走らせる大手バス会社が数社ある。
・アリ・オスマン・ウルソイ
・キャーミル・コチ
または、地域密着型のバス会社が各地にある。その数は数百社にのぼるともいわれている。例えば、トロイ遺跡に行くなら、チャナッカレが最寄の大きな街になる。チャナッカレのバス会社をGoogleで検索すると、チャナッカレ・トルワが検索で表示される。地域密着型バス会社の場合は、WEB予約ができないこともあって、その場合は電話やメールにて問い合わせが必要だ。簡単な英語なら通じる。大型連休以外なら、町のバスターミナル内にあるチケットカウンターで事前に確認と予約をしておくのがいいと思う。
・チャナッカレ・トルワ
・パムッカレ・ツーリズム
・サフランボル・ツーリズム
下で紹介する、バス比較サイトを使うと、複数のバス会社が表示される。どこに乗るか迷ったら、ウルソイやキャーミル・コチ、パムッカレ・ツーリズムあたりにしておくと間違いない。
チケット価格=品質

バスターミナルに並ぶ看板
日本でも、キラキラ号とウイラーとJRバスがの座席やサービスや値段が全然違うように、トルコもまた千差万別。おおむね、乗り心地とサービスの良さは値段に完全に比例する。

パムッカレ・ツーリズムのお菓子
トルコのバスは、よく整備されていて安全であるし、サービスエリアでは洗車もする。社内も清潔だ。日中帯のバスでは、お菓子、ジュース、チャイ・コーヒーといったサービスが「そんなにいいんですか!?」と言いたいほど繰り返しやってくる。パムッカレ・ツーリズムでは、夏限定でアイスクリームも配布。おやつを食べない人には迷惑でしかないだろうが、お菓子好きにはたまらないサービスだ。
トルコの長距離バスでは、おおむね下記サービスが利用できる。
※2021年8月まで当サイト調べ
車内設備 | 状況 |
座席 | 2+1、2+2、2+2 |
Wi-Fi | 〇 |
TVモニター | ◎ |
コンセント | 〇 |
USBジャック | 〇 |
イヤホン | △ |
お菓子・チャイ | ◎ |
コロンヤ(ウェットシート) | ◎ |
サービスエリアで休憩できる

サービスエリアにて
数時間に1回のペースで、サービスエリア(mola yeri)に立ち寄って休憩&食事時間が設けられる。日本と同じく20分ほどが多いと思うが、たまに40分も休憩をとることもあって、サービスエリア内のレストランで食事をしたり、お土産を購入することもできる。もちろん車内でゆったりしていてもかまわない。ネックなのは何時まで休憩なのかのアナウンスをトルコ語で(しかも早口で)するため、英語で聞きなおさなければいけないところだ。日本みたいに、出入口に看板で時間を掲示しておいてくれたらうれしい。
予約について
バス一括比較サイトを利用しよう

カラブユック市のバスターミナル
一番手っ取り早くて簡単なのが、出発時間や運賃、車内設備を一覧で一括比較できるサイトでバス時間などを確認して予約する方法だ。得体のしれないサイトで予約するのはやっぱり不安なので、比較サイトで時間とバス会社を調べたら、そのバス会社が運営しているWEBサイトで直接予約する方法を私はとっている。ネット予約ができない、または、ネット予約が不安なら、現地のオトガルや市中の販売店で早めに予約しよう。
nereden nereye.com
obilet.com
男女が隣になることはない

パムッカレ・ツーリズムの車内
日本のバス会社でも近年は配慮はしてくれているものの、格安バスの場合は、満席だと男女区別なく座ることになる。トルコでは、女性同士、男性同士が隣に座ることが定められている。例えば、男性が予約する際、女性の隣の席が1席だけ空いていても、「満席です」と表示され、予約ができない。これは長距離バスに限らず電車でも同じである。

アンカラのオトガル/トルコ
あと、これは余談だが、女性にはとっても優しいトルコだから、女性一人旅では、相当な配慮をしてくれる(個人的経験)。何なら、「次の便まで待ってゆったり帰りなさい」とかなんとか言って、有無を言わさず次の便を予約してくれることもある。なんなら、チャイをおごってくれたりもする。いや、有難いけど…。
降りるバス停とセルビスの有無を確認しよう

最大手・メトロ社のバス
最終目的地にあるバスターミナルから徒歩で中心部に行けそうかどうか、事前にGoogleMapなどで確認をしておこう。中心部にあるバスターミナルなら問題ないが、郊外にある場合は、中心部までどうやって行くのか、予約時に確認したほうがいい。「バスで行けるよ」「歩きだよ」などと教えてくれる。もし、「バスだよ」と言われた場合は、「セルビス?」とも聞いておきたい。セルビスとは、サービスのことで、バスターミナルから街中まで無料のバスで送迎してくれるサービスのこと。

ウチヒサル/カッパドキア・トルコ
例えば、カッパドキアのギョレメ地区に行きたい場合、カッパドキアのどのバスターミナルで降りることになり、そこからギョレメまで行く場合のバスはセルビスなのか有料の通常バスなのか、予約時にカウンターで確認をするといい。また、カッパドキアを経由して別の街へ行くばすの場合は、町外れのバス停で降ろされ、延々と歩くハメになった、というケースもあるらしいので、「ネヴシェヒルのバスターミナルまで行くのか」を確認しておくと安心だ。
バスターミナルについて

アンカラのオトガル
バスターミナルは、トルコ語でオトガル(オートガレージの略:Otogar)や、ガラジュ(ガレージの意味:Garaj)、テルミナル/テルミナリ(ターミナルの意味:Terminal)と呼ばれ、いずれもバスターミナルの意味となる。日本で例えるなら、バスタ新宿のような、バス専用のターミナルで、ちょっとしたカフェや土産物屋などが併設されていることが多い。主要都市のオトガルともなれば空港並みに広い施設で、各地方都市へのハブの役割を果たしている。

アンカラのバスターミナル
イスタンブール、アンカラ、イズミルの三大都市のオトガルは本当に広い。バス会社の看板がズラリ並ぶカウンターで、これから発車するバスを予約することができる。大型連休でない限り、どこかしらのバス会社の予約ができるが、人気のバス会社は満席になっていることがあるので、できればWEBで事前に予約したい。
大手バス会社

パムッカレ・ツーリズム販売店/パムッカレ村
数百社あるバス会社の中から、初めて利用される方へ太鼓判を押せるバス会社をまとめてみた。とはいえ、どれもこれも大手バス会社なのだけれど、バス会社選びは、気持ちの良い旅をするために案外大事なのだ。ちょっと間違えると、「バスなんてもう乗らない!」ということになりかねない。予算があるなら、高めのバス会社を選ぶのもポイントだ。
メトロ・ツーリズム(Metro Turizm)

メトロ・ツーリズム公式サイトより
メトロはどの町でも必ず見かけるバス会社で、同一路線内でも本数多く走っている。大手ではあるが、チケット代が安いので、バックパッカーや気ままな一人旅にはおすすめだ。万民に利用されるメトロは、使いやすさは抜群だがサービスの質はノーマル…というイメージ。あくまで日本人目線での感想だ。上質のサービスを求めるのなら、他社がおすすめだろう。
使いやすさ★★★
サービス★☆☆
値段★★☆
キャーミル・コチ(Kamir Koç)

キャーミル・コチ公式サイトより
数多くあるバス会社の中でもキャーミル・コチは老舗のバス会社になる。チケット代もそれなりに安く、多くの町に路線を持っている。老舗ならではのサービス力で、乗務員の対応もさわやかで品がいい。個人的には、メトロかキャーミル・コチか、と聞かれれば、キャーミル・コチを選ぶ。おすすめだ。
使いやすさ★★☆
サービス★★☆
値段★★☆
パムッカレ・ツーリズム(Pamukkale Turizm)

パムッカレ・ツーリズム公式サイトより
エーゲ海・イズミルを拠点とするバス会社、パムッカレ。チケットの値段はメトロと比べたら少し高めの印象だが、サービスには定評がある。何より、夏の期間に利用すると、アイスクリームが出てくるので、個人的には、まずパムッカレ・ツーリズムに空きや路線があるかどうかから確認する。場所がら、夏のヴァカンスで訪れた外国人観光客も多く利用するバス会社だ。
使いやすさ★★☆
サービス★★★
値段★★☆
アリ・オスマン・ウルソイ(Ali Osman Ulusoy )

アリ・オスマン・ウルソイ公式サイトより
黒海東部で一番大きな街・トラブゾンを拠点にするアリ・オスマン・ウルソイは、創業者の名前をバス会社に掲げる。富裕層の利用が多いバス会社であるウルソイは、欧米の観光客に人気があることでも知られる。バス車内設備はもちろんのこと、サービスの質も一番洗練されているイメージだ。大手バス会社の一社を吸収合併してますます成長している。チケット代は高めだが、さほどでもない。ウルソイを選んでおけば間違いないはずだ。
使いやすさ★★☆
サービス★★★
値段★☆☆
チャナッカレ・トルワ(Çanakkale Truva)

チャナッカレ・トゥルワ公式サイトより
エーゲ海地方の街、チャナッカレに拠点をおくチャナッカレ・トルワ。今の時点では、限られた路線での運行であり、大手の様に手広くあちらこちらへ、というわけにはいかないが、乗務員の対応が温かいのがお気に入りだ。現地ガイドおすすめのバス会社でもある。
使いやすさ★★☆
サービス★★☆
値段★★☆
他にもSafran Turizm(サフラン・ツーリズム)、Nevşehir Seyahat(ネヴシェヒル・セヤハット)もおすすめできる。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
※この記事は、トルコのとりこ(2018/7/28)をリライトしたものです。